2022年12月06日 陳仁濤 旧蔵絵画
で、、
>しかし、彼のコレクションはそれほど精選されたものではないようにみえます。
もちろん、メトロポリタンに入った呉彬の羅漢図巻のような傑作があるのは確かですが、粒揃いかどうかは疑わしい。
>
なんて書きましたが、陳仁濤の絵画コレクションについて、なぜ、それほど精選されていないとか、ブランドとしての信用がないとか、いうかというと、絵画コレクションの代表として、自信をもって本にもあげていた2作品「董源 秋山行旅図」(下イメージ左)「巨然 渓山蘭若図」(下イメージ右)が20世紀の贋作だったからです。上イメージの本(ref1)
に図版・解説が掲載されていたのですね。このデジタルイメージも上の本からとりました。「董源 秋山行旅図」についてはREF2、「巨然 渓山蘭若図」については中華人民共和国の鑑定家のRef3が分析しています。
この2作は、おそらく張大千の作品です。
張大千の贋作問題については、、
巨匠にして贋作者
http://reijiyamashina.sakura.ne.jp/daquin.htm
そして、張大千が売った古書画に、抜群の本物傑作「王羲之模写本 行穣帖」などが、あったのも、また確かなので、ますますややこしくなります。
陳仁濤が、張大千のカモにされたのは確かですが、ボストン美術館、チェルヌスキー美術館、大英博物館、フリーアなど有名美術館が皆だまされているのだから、 眼が節穴とまではいえないのではないでしょうか? ただ、コレクションの看板・代表作を贋作で飾ってしまい、図録に出版までしてしまったのは、不運なことでした。
じゃ、陳仁濤コレクションは贋作だらけかというと、そんなことはありません。現在メトロポリタンにある呉彬の十六羅漢図巻
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/48948
という素晴らしい作品、
ネルソンにある金時代の作品とされる太古遺民「江山行旅図巻」
https://scrolls.uchicago.edu/view-scroll/176
などの劇蹟傑作を収蔵していたのも確かなんですからね。
ここで、
日本が騙された!3人の詐欺グループが仕掛けた驚きの手口とは!?【ルグロ贋作事件】
の末尾近く
この2作は、おそらく張大千の作品です。
張大千の贋作問題については、、
巨匠にして贋作者
http://reijiyamashina.sakura.ne.jp/daquin.htm
そして、張大千が売った古書画に、抜群の本物傑作「王羲之模写本 行穣帖」などが、あったのも、また確かなので、ますますややこしくなります。
陳仁濤が、張大千のカモにされたのは確かですが、ボストン美術館、チェルヌスキー美術館、大英博物館、フリーアなど有名美術館が皆だまされているのだから、 眼が節穴とまではいえないのではないでしょうか? ただ、コレクションの看板・代表作を贋作で飾ってしまい、図録に出版までしてしまったのは、不運なことでした。
じゃ、陳仁濤コレクションは贋作だらけかというと、そんなことはありません。現在メトロポリタンにある呉彬の十六羅漢図巻
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/48948
という素晴らしい作品、
ネルソンにある金時代の作品とされる太古遺民「江山行旅図巻」
https://scrolls.uchicago.edu/view-scroll/176
などの劇蹟傑作を収蔵していたのも確かなんですからね。
ここで、
日本が騙された!3人の詐欺グループが仕掛けた驚きの手口とは!?【ルグロ贋作事件】
の末尾近く
で、山田五郎氏が、、
>これ、つかんじゃったからあの人は信用できない、というようなオールオアナッシング
はいけないよ、、
と言っているのももっともではありますね。
事実、陳仁濤コレクションの金石、青銅鏡、青銅器などは、かなり天理参考館に入っているといいます。こちらについては、別に噂はきかないのですから。
>これ、つかんじゃったからあの人は信用できない、というようなオールオアナッシング
はいけないよ、、
と言っているのももっともではありますね。
事実、陳仁濤コレクションの金石、青銅鏡、青銅器などは、かなり天理参考館に入っているといいます。こちらについては、別に噂はきかないのですから。
ref1 陳仁涛(J.D.Chen), 中国畫壇的南宗三祖, 1955, 香港
ref2 古原宏伸, 偽作の季節, 1995/3, preprint文化財学報第13集
ref2 古原宏伸, 偽作の季節, 1995/3, preprint文化財学報第13集
ref3 張コウ、どうのように書画を鑑定するか、「書画鑑定のてびき」、 1985/5/1、二玄社に収録