2022年12月11日

陳仁濤 旧蔵絵画の問題

jdchen 3  masters.JPG


2022年12月06日 陳仁濤 旧蔵絵画
で、、
>しかし、彼のコレクションはそれほど精選されたものではないようにみえます。
もちろん、メトロポリタンに入った呉彬の羅漢図巻のような傑作があるのは確かですが、粒揃いかどうかは疑わしい。
>
なんて書きましたが、陳仁濤の絵画コレクションについて、なぜ、それほど精選されていないとか、ブランドとしての信用がないとか、いうかというと、絵画コレクションの代表として、自信をもって本にもあげていた2作品「董源 秋山行旅図」(下イメージ左)「巨然 渓山蘭若図」(下イメージ右)が20世紀の贋作だったからです。上イメージの本(ref1)
に図版・解説が掲載されていたのですね。このデジタルイメージも上の本からとりました。「董源 秋山行旅図」についてはREF2、「巨然 渓山蘭若図」については中華人民共和国の鑑定家のRef3が分析しています。

この2作は、おそらく張大千の作品です。
張大千の贋作問題については、、
巨匠にして贋作者
http://reijiyamashina.sakura.ne.jp/daquin.htm

そして、張大千が売った古書画に、抜群の本物傑作「王羲之模写本  行穣帖」などが、あったのも、また確かなので、ますますややこしくなります。
陳仁濤が、張大千のカモにされたのは確かですが、ボストン美術館、チェルヌスキー美術館、大英博物館、フリーアなど有名美術館が皆だまされているのだから、 眼が節穴とまではいえないのではないでしょうか? ただ、コレクションの看板・代表作を贋作で飾ってしまい、図録に出版までしてしまったのは、不運なことでした。
じゃ、陳仁濤コレクションは贋作だらけかというと、そんなことはありません。現在メトロポリタンにある呉彬の十六羅漢図巻
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/48948
という素晴らしい作品、
ネルソンにある金時代の作品とされる太古遺民「江山行旅図巻」
https://scrolls.uchicago.edu/view-scroll/176
などの劇蹟傑作を収蔵していたのも確かなんですからね。

ここで、
日本が騙された!3人の詐欺グループが仕掛けた驚きの手口とは!?【ルグロ贋作事件】
の末尾近く
で、山田五郎氏が、、
>これ、つかんじゃったからあの人は信用できない、というようなオールオアナッシング
はいけないよ、、
と言っているのももっともではありますね。

事実、陳仁濤コレクションの金石、青銅鏡、青銅器などは、かなり天理参考館に入っているといいます。こちらについては、別に噂はきかないのですから。

ref1 陳仁涛(J.D.Chen), 中国畫壇的南宗三祖, 1955, 香港
ref2 古原宏伸, 偽作の季節, 1995/3, preprint文化財学報第13集
ref3  張コウ、どうのように書画を鑑定するか、「書画鑑定のてびき」、 1985/5/1、二玄社に収録

董源 秋山行旅.JPG巨然  渓山蘭若.JPG
posted by 山科玲児 at 09:31| Comment(0) | 日記

ホットワインの季節


hot wine  hornse magcup.JPG



hotwein pompadour.JPG

ホットワインの季節になりました。ホットワインはどんな安いワインを再利用しても結構飲めるものになるのがありがたいところです。料理に使うのに買った赤ワインの残りでつくりました。マグカップは、HORNSEAホーンジーウェア(made in England)
バーバリーも中国製になって以来、英国ブランドの印象もなんか落ちたんですが、これは昔昔 青山一丁目の角で買ったものなので。。


posted by 山科玲児 at 07:38| Comment(0) | 日記

2022年12月10日

巻物の読み方


herclaneum Biblio.JPG

  巻物の読み方についてですが。。。
  ヘルクラネウム(エルコラーノ)発掘で、現在ナポリの博物館にある壁画(イメージの左)の巻物は、軸が左にあるので、ヘブライ語やアラビア語などの右から左へ書く書式の本だということになりますね。現在でもユダヤ教徒が使うトーラーの巻物はそうなっています。
  ローマ帝国の中のユダヤ人の邸宅だったのでしょうか?

posted by 山科玲児 at 19:42| Comment(0) | 日記

右と左

乙巻 (2).JPG

矢代幸雄の私の美術遍歴 (1972年)を読んだら、

東海岸のボストン、ハーヴァードの老大学教授が絵巻物を右から左へと鑑賞することを長年知らなかったという逸話が書いてあった。
しかし、当方も、東京国立博物館で、特に中国絵画の巻物の場合、しばしば左から右へ観る客と衝突することがあった。最近は少なくなってきたのは、知識がネットなどで普及してきたからだろうか? イメージは鳥獣戯画乙巻
  やはり、こういうのはお約束、なんだから、礼儀作法・マナーの教育と同じく、義務教育で教えるべきものではないか?と思う。
 ローマ時代ではパピルス巻物が多かったので、パピルスの絵巻物があってもよさそうなものであるが、事実上残っていない。エルコラーノのパピルス荘からでた炭化したパピルス巻物のようなものはあるようだが。。
 ヴァチカンに、ヨシア画巻
というのがあるそうだ。これはたぶん左から右へ観ていくものだと思う。羊皮紙の巻物である。

  中近東ではヘブライ語アラビア語などは右から左だそうだから、死海写本の巻物は右から左だろう。 ユダヤ教のトーラーは巻物になっているようで、専用の閲覧用の器具まであるようだが、これも右から左なんだろうと思う。


posted by 山科玲児 at 09:38| Comment(0) | 日記

美術館名が違う

大和文華館の英文wikipediaのタイトル
がMuseum of Japanese Artになっているのは、全くおかしい。
一応、修正依頼はしたが。。
日本の美術館名が他言語wikipedia
で間違っている例は少なくないのでは?
posted by 山科玲児 at 09:20| Comment(0) | 日記

2022年12月09日

爪切り

爪切り.JPG

巻爪を防止するという触れ込みで、
真っ直ぐな刃の爪切りをJUSTSYSTEMの通販で売っていたので買ったが、
なかなか具合がいい(上イメージの左、右は従来型)。
とくに足の親指の爪を切るのには絶好だ。
もっと普及してもいいと思う。ただ、もっと安いもので、貝印の直線刃のもの(一応 日本製)もあるようである。

しかし、逆になぜ、爪切りの刃が丸くなったのか?そのほうがわからなくなった。

タグ:爪切り 巻爪
posted by 山科玲児 at 06:53| Comment(0) | 日記

普賢菩薩像の写真

普賢 museum 100 aniversery.JPG

東京国立博物館の国宝展で、11月29日〜12月11日まで、平安後期の仏画:普賢菩薩像が展示される。
https://emuseum.nich.go.jp/detail?langId=ja&webView=&content_base_id=100141&content_part_id=0&content_pict_id=0

 昔から、写真が部分撮影ばかりで、上部の天蓋や落花は無視している写真図版が多いということは既に書いた。
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/189969548.html

実のところ、全形のカラー写真が一般に刊行されたのは、
1972年1月号のミュージアム、東京国立博物館100周年記念号のカラー口絵(上イメージ)だったと思う。

それ以前は昭和26年の焼き付け写真(下)は象すらない中心部だけのものだし、1977年の学研出版便利堂制作の「日本の仏画」でもカラーは部分図版(下)だった。
普賢 photo 昭和26年.JPG


東博 普賢菩薩 学研.JPG


posted by 山科玲児 at 04:46| Comment(0) | 日記

2022年12月08日

ボールドウィンのミサ曲

カラヴァッジョの絵の中の音楽
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/189756017.html

で、知った  ボールドウィンNoel Bauldeweyn (c.1480 - c.1530)の曲だが、
なんと、東京の花井さんのカペラで、今年の10月に演奏されたようだ。
そのときの花井さんが懇切に解説された宣伝動画があるので紹介したい。
https://www.youtube.com/watch?v=1dD8jZvvy44

ミサ デ パセム
平和を求めるミサ曲なので、現在にふさわしいものだと思う。

なんか、ずっとジョスカン・デプレの曲と間違えられていたというから、驚きである。
posted by 山科玲児 at 18:30| Comment(0) | 日記

年収3000万円のTwitter社員が解雇


Twitter社員が日本でも米国でも大量解雇されているという話はきいているが、その解雇された人の話が記事になっていた。いやあ、上級国民なんだねえ。Twitter社員は。

月収250万円、48歳のTwitter元従業員が激怒「イーロン・マスクのせいでクリスマスプレゼントも買えません」
https://gendai.media/articles/-/102667?imp=0

日本の2倍以上の物価だろうと思うけれど、それで換算しても「少ないときで」年収1000万円以上ですよ。

前、下記のようなことをきいて、なんだかなあ、と思ったものだが、実際はもっとひどかった。

Twitter本社の無料カフェテリア閉鎖
解雇されたもと社員とイーロン・マスクの会話がTwitterにある。
https://twitter.com/elonmusk/status/1591935035367723008

解雇されたもと社員トレーシー・ホーキンス氏は朝食と昼食に20ドル〜25ドル使うのが当たり前という感覚のようである。スペインのように昼食がメイン食事になっているのかな?
ここで、イーロン・マスクはサンフランシスコ本社のカフェテリアに一年に1300万ドルを費やしているといっている。そしてコロナのリモート ウオークのせいもあるのだろうが、客が少なくなってしまっているそうだ。客よりスタッフのほうが多くなっていたそうである。
ざっと計算したら、コロナ前でリモートでないとき、社員が出勤していたとき、一食あたりの経費が20〜30ドルくらい。物価の高いサンフランシスコといっても、これは高いな。客が払う代金じゃなくて、原価なんだから。
で、そのカフェテリアの情景::
Which Tech Companies Have The Best Free Snacks (Twitterの分へのURL LINK)
https://youtu.be/yIHhWMNUJEU?t=120
https://youtu.be/gJKp2n_6Q5s


タグ:Twitter
posted by 山科玲児 at 07:55| Comment(0) | 日記

2022年12月07日

古写真の優秀さ

普賢菩薩 部分.jpg


東京国立博物館の国宝展で、11月29日〜12月11日まで、平安後期の仏画:普賢菩薩像が展示される。
https://emuseum.nich.go.jp/detail?langId=ja&webView=&content_base_id=100141&content_part_id=0&content_pict_id=0

 昔から、写真が部分撮影ばかりで、上部の天蓋や落花は無視している写真図版が多いということは既に書いた。

 でも、ほんとに遙か昔の写真はどうだったんだろう?と思って、昭和二六年のモノクロ大判写真焼き付け(Ref)を引っ張り出してみた。
これも主要部分だけの写真で、象すら入っていないというものである。意外なことに、落花はかなりハッキリみえる。それに三人の小人物もハッキリみえる。上記サイトの大きなデジタルイメージで、そうとう拡大してようやくみえるくらいのものが、この写真では、かなりはっきりしている(上イメージ)。
昔の写真もバカにできないところがある。

ref 国立博物館監修 日本古美術名品集 絵画篇 昭和26年3月10日,平和商会 発行、東京
posted by 山科玲児 at 17:27| Comment(0) | 日記