2022年12月13日

根津美術館で北宋書画精華展

来年、秋、根津美術館で北宋書画精華展があるそうだ。
https://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/schedule.html

書はともかく、絵画は少数になるのではなかろうか?
根津美術館は、2004年に南宋絵画展をやっている。
南宋絵画―才情雅致の世界 −

南宋と同時代の金の絵画のほうは、まだ現存しているが、北宋は難しい。
五馬図巻をメインにするということなのだろうか?
まあ、それはいいとして、数量的には、書をメインにするとすれば、日本でも結構優れた北宋のものはある。
東京国立博物館でも米フツが二点、小品とはいえ、蘇舜欣の草書という珍品、趙令じ[田寺] の書という珍品もある。この2点、話がうますぎるのとあまり話題にならないので、ひょっとして、仮に精巧な模本であったとしても貴重なものだと思う。蔡ジョウの楷書墨跡は、なんと上野鶯谷書道博物館にあるのが最上品である。黄庭堅の第一の草書は日本の京都岡崎にあると確信している。蘇東坡の書は事実上日本には無いが、まあこれはしょうがない。禅林墨跡にも北宋のものはある。
ただ、絵画は難しい。
日本にあるものでは、山水画で、北宋らしいものは、大阪天王寺の大阪市立の 燕文貴、 京都岡崎藤井有リン館の許道寧  秋山簫寺 ぐらいだろう。花鳥画では、昔から有名な徽宗皇帝の「桃鳩図」があるが、当方は書に少し疑問をもっている。仏画ならもう少しあるようだ。
とにかく北宋の名画というのは、世界的にも著しく少ないもので、時代が下る模写本や模倣作を無理に北宋の有名画家にあてているのが現実である。
十分な数の信頼できる作品で北宋絵画展ができるのは、台北の國立故宮博物院ぐらいのものではなかろうか。北京でも清明上河図という大物をメインにすれば、なんとかできるだろう。

あるいは、台北から借りてくる?? まさか、、でも、昔よりは可能性があるからね。
posted by 山科玲児 at 06:57| Comment(0) | 日記

三分の一ぐらいは残っていた

菊合序 (1).JPG
企画展 遊びの美
    2022年12月17日(土)〜2023年2月5日(日)
https://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/next.html
で公開される

上東門院菊合 の本文ですが、もともと20首しかない短いものでしたから、このサイトのイメージだけみても6首ありますので、三分の一ぐらいは原物が残っていると考えてもよさそうです。
この菊合の「序文」のほうは全部 陽明文庫に残っていて、良い複製もありますので紹介してあります。上イメージは、その一部です。
posted by 山科玲児 at 06:28| Comment(0) | 日記