2022年12月16日

1956年京都で開催された宋元明清中国絵画展

1956年京都で陳仁濤コレクション絵画展


アップしました。

昭和31年時点の日本のインテリゲンチャの中国絵画理解がいかにずれていたという、証拠でもありました。あるいは、一流画家にして一流の贋作者、張大千がいかに傑物であったのかという証拠です。
posted by 山科玲児 at 06:37| Comment(0) | 日記

結果論だが、財務省が松方コレクションを破壊した

西洋美術館.JPG

上野の国立西洋美術館(イメージ 当方撮影)は、もともとサンフランシスコ講和条約のさい、フランスから返還された松方コレクションを収納管理展示するために作られたものである。

松方コレクション|国立西洋美術館
https://www.nmwa.go.jp/jp/about/matsukata.html

ここで、不思議に思うのは、松方氏がなぜ英国やフランスに美術品を保管したままだったのか?ということである。英国保管の分は火事で焼失してしまったし、フランス保管の分は疎開したとはいえ傷んでしまったものもあった。クロード・モネの大作:《睡蓮、柳の反映》がその例である。近年修復公開されたが完全復元は無理だった。
https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/19968

矢代幸雄の私の美術遍歴 (1972年) 13章「松方コレクションのお手伝い」に、そのカギがあった。矢代幸雄は、ロンドンでは、松方幸次郎氏の相談役ガイドのようなことをやっていたようだ。
>松方さんの画商めぐりに常のお伴をする

であったそうである。

 松方氏は、日本に帰るとき当然、輸送しようとしたら、財務省(当時は大蔵省)が「十割の関税」をかけるというので激怒して、中止してしまった。という。

 松方コレクションが、フランスや英国に保管されることになったのは、財務省のせいであり、モネの睡蓮の大作の破壊も、間接的ながら財務省のせいでさる。
 米国の場合、美術品の本物には関税はかからないそうだ。一方、模写や複製は関税がかかるということである。
posted by 山科玲児 at 05:35| Comment(0) | 日記