2022年12月25日

マグリット作品の著作権 問題

Surrealist pinting  U.JPG


  ベルギーのシュルレアリスム画家、マグリットの作品は日本でも人気があると思うが、著作権については複雑な問題がある、という話は、前からきいていた。
  最近、検索でみつけた 法律関係のシンポジウムで、専門家が発言しているものがとても参考になったので、引用させていただきます。
2019 年 1 月 13 日
明治大学知的財産法政策研究所(IPLPI)シンポジウム
「平成30年著作権法改正の評価と課題」

  ですから同じマグリットの作品でも、「白紙委任状」という作品、
これは 1965 年にできていますので戦後に作られたものですね、これは戦時加算の対象にならないのです。したがって、マグリットが亡くなってから 50 年で著作権が消滅しておりますので、すでに一昨年の 12 月 31 日にもうパブリックドメインになっているわけなのです。
ですから、今回の保護期間延長の対象にもなっていません。今でもこの絵は自由に使えるわけです。
ところが、有名なパイプの絵である「イメージの裏切り」という作品、これは 1929 年に作られておりますから戦前に作られたものです。そうするとこれは戦時期間をフルに加算することになります。これによって、今回の保護期間の延長に間に合いましたので、結果として死後 70 年プラス戦時加算ということです。私の計算では、この時期にはうるう年が2 回しかないようですので、そうすると、この作品は 2048 年の 9 月 15 日が満了するまで著作権が存続することになります。


とすると、第二次世界大戦後の作品なら自由に使える、ということになりますね。
上イメージはSurrealist Painting U、 Tudor Publishing Co., 1971
表紙は1968年の作品::お、著作権消滅してますね。。それでも、おそるおそる本の表紙にしました。
ただ、ちょっと心配なのは、外国では消滅していないという可能性。ま、日本で消滅していればいいのかな。そんなこといったら、千年消滅しなしという国があるとしたら、という仮説もかんがえられるしね。

posted by 山科玲児 at 11:56| Comment(0) | 日記

くるみ割り人形 の紹介動画



クリスマス音楽として、優秀な、バレエ・くるみ割り人形 の  優れた紹介動画がありました。日本コロンビアが協力してるんで、著作権問題なく制作できるので、華やかな動画になっています。
【あらすじ】バレエくるみ割り人形のストーリーと鑑賞ポイントをチャイコフスキーの音楽に乗せて解説
https://youtu.be/Pb8yIeA6DPo

それにしてもチャイコフスキーは、「ブラームスはメロディを作れない」と批評したそうだが、まあチャイコフスキーほど、美しいメロディを連発できた作曲家も珍しいから、ブラームスにそれを要求するのは酷だろう。
 ただ、チャイコフスキーはロシア民謡からパクったという疑惑をきいたことがあるが真偽のほどはわからない。
posted by 山科玲児 at 07:28| Comment(0) | 日記

西洋美術館の聖誕

Nativity  lorenzo Leonbruno mantva.JPG


  東京上野の国立西洋美術館に、昔から気になっていた愛らしい聖誕の絵画がある。 上イメージは部分拡大、当方撮影。

ロレンツォ・レオンブルーノ・ダ・マントヴァ
マントヴァ?, 1489年 - 1537年頃
Lorenzo Leonbruno da Mantova
Mantova?, 1489 - c. 1537
キリスト降誕 The Nativity
https://collection.nmwa.go.jp/P.1979-0001.html


 Lorenzo Leonbruno (10 March 1489 – 1537),という16世紀前半の画家の作品のようである。
マントヴァのゴンザーガ家に仕えて仕事をしていた画家らしい。
 Lorenzo Leonbruno
https://en.wikipedia.org/wiki/Lorenzo_Leonbruno

  この作品、1979年に西洋美術館が購入したもので、松方コレクションではない。イタリア絵画が弱体の西洋美術館の中では、なかなか良いものだと思う。一応1854年のワーゲンの記録までは履歴が遡れるもので、英国にあったものである。顔が可愛いすぎる気がして、多少、補筆加筆はあるかもしれないという疑念はあるが、愛すべき作品だと思っている。


posted by 山科玲児 at 05:10| Comment(0) | 日記