2023年01月28日

大小王真跡帳

二王真蹟 献物帳.JPG

 正倉院:大小王真跡帳(上イメージ 明治時代のこの複製では紙色が違っているのがご愛敬)実物は青い紙に書いてあります。
 これは、天平宝字2年(758)6月1日、に光明皇后が東大寺に「王羲之王献之の真跡」を献納したときの文書です。
宮内庁URL  
https://shosoin.kunaicho.go.jp/treasures?id=0000010571&index=0

ここに記載された 宝物は、
 黄紙の墨跡の巻子本で、表が王羲之の書、裏が王献之の書という変わったものです。
奕世の珎(寶) と最高級の賛辞が書いてあります。 まことに不思議なものですが、私は昔からこのように推測しています。
 これは1枚の紙の裏表に王羲之の手紙と王献之の手紙が書いてあったものでしょう。
1枚だから、こういう表装になってしまったのです。平安時代12世紀初頭の西本願寺三十六人家集から流出した断片である石山切にも、分解解体両面剥ぎはしないで、両面から鑑賞できるように表装した掛軸があると聞いたことがあります。唐時代に和紙を表裏2枚に剥ぐ両面剥ぎのような技術が普及していれば、表裏2枚に剥いで並べたでしょう。鳥獣戯画丙巻のように剥いで継ぎ合わせたでしょう。

 この墨跡の真贋は、現物が失われている物なので判断しようもないのですが、なぜ表裏に書いたものがあるのか? あるいはそういうものがあってもおかしくないと唐時代玄宗皇帝の時代の人が思ったか? という問題がおきます。
 これは、手紙とその返事だと思います。古い時代には来た手紙の余白に返事を書いて送り返したという例があるようです。
  現代のEmailの返信みたいですね。
なお、東晋当時は、隣りの人にも手紙を出したということですので、父子が近くに住んでいても自然です。これは貴族同士の訪問の場合、儀礼がやかましかったので、その面倒を避けて手紙ですませたのでしょう。

  王献之に逸話がありました。謝安に得意の書法を駆使して書いた手紙を送ったのに、返事をその上に書いて返送されてきた、俺の書を尊重していない、けしからん、、とかいうものですね。孫過庭の書譜で紹介されてました。献物帳の墨跡がほんものであってもなくても、そういう設定で解釈され珍重されたものだと思います。
 近世でも、後水尾天皇が来た手紙の余白に返事を書いて送り返した例が俵屋宗達関係文書としてありました。

イメージ ソース:朝陽閣集古 石印  大蔵省印刷局
posted by 山科玲児 at 07:48| Comment(0) | 日記

東京製 Tシャツ と試着


山田五郎氏のYOUTUBE 動画
https://www.youtube.com/@art-yamadagoro
で、関連グッヅ販売としてTシャツを制作販売して好評だったようである。
東京の老舗メーカー 久米繊維に製造してもらったというものである。
山田五郎ブランドマークが欲しいわけでもないが、超良質な国産Tシャツは欲しいなあ、と思って久米繊維のサイト
https://shop.kume.jp/?mode=cate&cbid=2635643&csid=0
も観ていた。
通販も考えていたが、、

前回、東京にいったとき、銀座 松屋で
RE Made in Tokyo Japan
http://www.re-clothingtokyo.com/#id13
 のブースで東京の老舗で造ったTシャツというのをみた。
かなり高価だったが、
縫製はもとより東京、織りにも凝り、綿花までデカン高原のインド綿の高級品という凝りようである。奴隷労働疑惑の新疆綿を避けてますよ、というさりげないアピールであろう。代官山の会社だ。Tシャツなのに試着させてくれるというので、試着したところ L でもややきつい。XLでOKだったが、なんと「白」が店頭になかった。当方はLLBeanのアメリカン サイズでM  なので、ここのサイズ  やや小さめなのかな、、とも思ったものだ。
  考えてみるとTシャツの場合、いくら良質でも小さすぎては話にならない。大きいガバガバなのはまあ使えないことはない。縮んだりもするし。試着させてくれるというのは、ありがたいことである。通販にしないで良かったかもしれない。通販の久米繊維の方がずっと安いんだけどね。
 実は昔昔チューリヒの空港で買ったTシャツもかなり劣化してしまい、もう思い出ものと化してしまっているので、ここで注文することにした。旅行先で自分用の休日ハレの日用Tシャツを買うというのは私の癖で、マドリードでもZARAのを買った。ふだん使いは、長崎のスーパーで売ってるヴェトナム製である。
かなり時間がたって電話がありXLが用意できたので上京のさいよろしくとのこと

 私のサイズが無茶に大きいとか、異常な中年肥りとかいうこともないと思うので、こういう高級な国産衣料は、若い人をターゲットにしているせいかスリム体型にあわせる傾向があるのだろう。そうとう前、やはり国産の上着を通販したとき、かなりスリムだった。
  そうなると試着が必要になり、「試着」は店頭販売の生き残り戦略の一つになりうる。試着はネットでは難しいからねえ。できないこともないけれど買い手の負担がおおきくなり、面倒くさいというので避けられてしまう。いろいろ買い手が測らなければいけないからだ。

posted by 山科玲児 at 06:58| Comment(0) | 日記