2023年02月28日

いわゆる最善本淳化閣帖の蔵書印



コレクター李宗翰が三冊の淳化閣帖を翁方綱にみせたとき、翁方綱が低評価したという手紙があるそうだ.
「法帖三冊受け取りました。細かく観ましたが、おそらく本物ではないでしょう。題簽を書くことはできません」
と翁方綱が李宗翰に書いているそうだ。
だが、それは最善本を批判する論文での引用である。信頼すべき古文献や実物で確証したわけではない。

 李宗翰の印が、李宗翰自身によって押されたものではないようだという疑惑がある、かなり素人くさい押し方である。上イメージのように対面にうつっているという言語道断な押し方である。
 一方、印自体は偽物ではないようだ。
 これから推理すると、李宗翰の死後、残された印を後裔の人が押したのではなかろうか
それは、李家の収集品が売却された清末中華民国期のころだと思う。売却するときに李宗翰印があったほうが高く売れると思った家人が押したのだろう。
 似た例もある。山東の大コレクター 陳介 監拓/手拓とされる拓本は多いが、どうもその中で偽の印が押してあるものが少なくない。しかし拓本本体は本物である。これは、高く売るために印を後の時代に押ししたのだろうと思う。これと似た事情だったのではないか?

 前の翁方綱が低評価したという手紙を考えると、翁の批評にがっかりした李宗翰が蔵書印もおさず倉庫に放置していたものを、清末中華民国期のころに李宗翰後裔が発掘したという事情だったのではないか?と推理している。一応王鐸の題簽もあり、明末清初以前の古いものには違いないのだから。


posted by 山科玲児 at 06:28| Comment(0) | 日記

amazon詐欺メール

amazonからのメールらしいものは、
まず
詐欺メール
かと疑わなかえればならない、という
状況みたいです。
ひどいなあ。
posted by 山科玲児 at 05:07| Comment(0) | 日記

2023年02月27日

詩箋の値段


宋元書影 詩箋 (5).JPG




最近、ヤフオクで、清末・中華民国時代の詩箋が出て、高値で落札されているようです。

そのなかで、
★唐物 北京清秘閣宋板書詩箋 唐本 中国物★
落札価格:: 381,000円
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f1082796140
というのがありました。
  当方もこういう宋元版を複製したような便箋は、面白いと思っていて、手頃な価格ならと入札してみたら、結果は上記のようなとんでもない高値になってました。
  一時の流行なのかもしれません。
 
  まあ、未使用で全揃いかどうか、という問題はあるようですが、貧架にも上イメージのような宋元版を使った便箋があります。これも高いのかな??

詩箋 宋元書影
https://reijibook.exblog.jp/28562653/
タグ:詩箋
posted by 山科玲児 at 07:08| Comment(0) | 日記

2023年02月26日

大安寺

大安寺.JPG



奈良  特別企画「大安寺の仏像」
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2555
にちなんだ画像だが、、

大安寺のノキ瓦拓本が、大和古瓦拓本集みたいな一紙に入っていたので、紹介してみる。 

稲垣晋也、古代の瓦、1971によると、大安寺の発掘はまだなされていないとのことだった。
え、まさか、と思ったが、どうも本当らしく、1971年以前には大規模発掘はなかったようである。
ネット検索してみても1973年以降、21世紀まで、いろいろ発掘がされているようだ。
そうすると、1971年時点では、測量と表面採集ぐらいしかやっていないのかもしれない。
今回、東京国立博物館での企画展、それに先立つ奈良国立博物館での企画展があったのは、
そういう発掘調査が一応終わったからではなかろうか??
                
                  
            
posted by 山科玲児 at 15:08| Comment(0) | 日記

80年間も未公開でした

大観帖 南京ss1.jpg大観帖 南京 ss2.jpg


松井如流、中国書道史随想、二玄社, 1977年 de

で賞賛されていた大観帖第六局榷場残本だが、どうも2017年に南京で公開されていたらしい。文革で破壊されてなくて良かった。

香港のサイトでの紹介
海內孤本王羲之墨跡摹本《大觀帖》南大首展
http://www.jdonline.com.hk/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=23&id=35411

1934年に南京大学に寄贈されて以来、あまり観た人はいなかったのではなかろうか。
コロタイプ影印本なのか、焼き付け写真なのかが日本にもちこまれ、

大観帖第六局(巻)榷場残本 (晩翠軒): 1930
大観帖第六巻 寉場残本. 解説. 冊数, 1帖. 著者, 伏見冲敬解説并釈文. 絵師. 版元(出版社), 書学院出版部. 刊年, 昭55 (1980)
という翻印本が出版されて歓迎され、
松井如流先生も習ったわけである。書品 第20号、東洋書道協会、1951年が初出だから、晩翠軒本みてるのかなあ

  当方も上のような影印本しかみていないが、北京にある大観帖よりもずっと良いもののようにみえる。
  この残本への翁方綱の執着はもの凄く、乾隆帝が快雪時晴帖に書いた以上の題記や跋を書きまくり、「大観帖歌」やら「晋書堂歌」やらを作ってそれを書くという力のこめかたである。上イメージの書きまくりしたものは、そのほんの一部に過ぎない。どうも2017年の展覧のときも、この執念深い、膨大な跋は全部公開されたわけではないようである。


posted by 山科玲児 at 11:54| Comment(0) | 日記

カステラのクルミかけ

カステラのクルミかけ.JPG

2015年07月16日   カステラにわさび醤油
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/152982595.html
で 書いた、

>昭和2年に子母澤寛が書いた 味覚極楽  にある「カステラを小さく切って小坪に入れ、上からクルミをすり下ろして供する」

というのを、やってみました。カステラの耳を安く買ったものですから。

わさび醤油 ほど インパクトはなく、ごく普通です。
クルミ カステラなんていう既製品の菓子もあるみたいですが、昭和初頭のこの料理をヒントにしたのかな。



posted by 山科玲児 at 09:21| Comment(0) | 日記

2023年02月25日

いわゆる最善本淳化閣帖の影印



 実は、中田勇次郎、「王羲之を中心とする法帖の研究」の末尾にモノクロで影印されている淳化閣帖は、今は上海博物館にあり、
2006年の、東京国立博物館の「書の至宝」展
で鳴り物入りで宣伝された法帖四冊の内の三冊だった。
  中田勇次郎氏の本の元本は、たぶん中華民国時代にコロタイプ影印されたものだろう。1970年代ごろまでは司空公本と呼ばれていたものだ。賈似道の印があることによる名前である。現在、豪華図録も出ているようだが、意外なことにこの本の図版で概略はみることができる。一応、全部影印されているしね。この本は公共図書館には割とある本なので、アクセスもしやすい。

 この。いわゆる最善本淳化閣帖は、当方はあまり高く評価していない。それほど古くもないかもしれないとさえ思っている。
安思遠本淳化閣帖への疑問 | 玲児の近況 - 楽天ブログ


posted by 山科玲児 at 19:22| Comment(0) | 日記

中田勇次郎、王羲之を中心とする法帖の研究





王羲之を中心とする法帖の研究.JPG

論文のための悉皆調査のため、昔読んだはずの、中田勇次郎、王羲之を中心とする法帖の研究を

京都の古書店 から通販で入手して再読した。こういう場合、初版じゃなくできるだけ新しい版のほうが良い。
で、1975年の四版を廉価でゲット。。
古書の価値としては初版を尊んだりするが、こういうときは、より訂正された後版のほうがよい。東京在住だったり、大学所属だったりすればこんなことしなくてもいいんだが、面倒な場所ふさぎ・物入りなことである。

 論文のための悉皆調査については、飯山理さんがわかりやすい解説をしてるんで、
この動画(タイムスタンプで該当箇所へとぶようにしてます)

【やばっ!】三浦瑠麗氏の「論文」を採点してみた 19分55秒
https://youtu.be/SWAMOmq01wA?t=1193s

   ただ、再読してみると、昔の人が書いていて、今は無視され忘却されていることも結構ある、と感じた。それに、王羲之を中心とするなのに、蘭亭序のことが殆ど出てこない。
なんか、こういう点不思議ですね。
  東京国立博物館蔵書の東書堂思古法帖は、中田勇次郎先生がみても、あまり良くない拓本だったようだ。東書堂思古法帖はあまり普及しておらず、明前期の法帖では、かなり粗悪な寶賢堂思古法帖ばかりがあちこちに所蔵されてるのは残念なところである。


posted by 山科玲児 at 09:11| Comment(0) | 日記

内閣文庫アルカイーブ


2020年11月15日 内閣文庫アルカイーブ
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/188126012.html
で示したリンクURLは今は無効のようである。

国立公文書館アルカイーブ
https://www.digital.archives.go.jp/
からたどるのが良いようだ。

東書堂思古法帖がないかと思って、内閣文庫の「子部」の目録を全部みたが、残念ながら、なかった。
しかし、医書の多いこと多いこと、やはり深刻な問題だからなあ。
posted by 山科玲児 at 07:40| Comment(0) | 日記

2023年02月24日

エキスパンダブル機能付きスーツケース

東京都心〜羽田の京急線の中で
大きなスーツケースをもった女性をみかけた。そのスーツケース、真ん中にジッパーがみえたが、どうもアコーデオンのように容量が拡大できるようになっているようなのだ。
面白い構造になっていると思ったが、モスクワやエクワドルの空港ではこういう機能使うと壊されて盗まれるなあ、とも思う。羽田や成田行きの帰国便ならなんとか使えそうな機能だろう。
 ネット検索してみたら、解説・紹介があった。

エキスパンダブル機能付きスーツケース・キャリーバッグのおすすめ10選
https://ichimokusan.info/expandablesuitcases/

蒸気船時代などは、長期滞在する上流階級むけに、巨大なトランクを従僕が運んでいたものだっただろう。映画「ヴェニスに死す」にもでてくる、そういうトラックについて、前、書いておいた。

2015年06月27日 ルイ・ヴィトンのトランク
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/145943535.html


posted by 山科玲児 at 07:45| Comment(0) | 日記