2023年02月18日

蘭亭偽作説の亡霊


最近号、雑誌「墨」の「王羲之と蘭亭序」特集で、

蘭亭偽作説を巡って──幻視する二つの「蘭亭序」
 講師/松宮貴之
を読んで、強引過ぎる議論に辟易し、蘭亭偽作説の亡霊を感じた。

また、文革時代に日本のインテリがとんでもないことになっていたのの影を未だ引きずっているのか?とさえ感じたものだ。

2018年11月22日 東大は文革礼賛だった
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/185022857.html

蘭亭偽作説についての、当方の考えは、ずいぶん昔、二〇年前に書いたこれと変わっていない。
http://reijiyamashina.sakura.ne.jp/ohgisi/LANTEI.HTM

一方、蘭亭偽作説の必須文献である 世説新書の註にある臨河叙 と李文田の蘭亭偽作説のテキスト全文の紹介が全くなおざりにされているのが、かえって情けない状況なので、テキストの絶対的なソースをネットにあげておく。


2020年09月26日 李文田の蘭亭偽作説
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/187962718.html
posted by 山科玲児 at 14:10| Comment(0) | 日記

中国のパノフスキー

巫鴻 秦権研究.JPG


Wu Hong 巫鴻という人
屏風のなかの壺中天
ウー・ホン 著,中野美代子, 中島健 訳
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=1323

どうも、絵画の指し示す意味の解釈という研究をやっているようである。
つまり、パノフスキー的な図像学イコノロジーによる研究が中心のようだ。

中国絵画で、イコノロジー研究をやる人は多くなかったせいか、米国でも評価され英語版の本もかなり出ているようである。シカゴ大学で勤務していたようである。

ある意味、中国のパノフスキーという感じかなあ。

当方の方向とは違っているが、こういう研究方向もありだと思う。特に画像石図像の研究には、好適な方法論である。実際山東の武梁祠画象石の本も書いているらしい。是非ガンガンやってほしいと思っている。

ペンネームだとは思うが、同姓同名の人が、昔、文物 故宮博物院院刊で、

 秦時代の権量銘についてのアーティクルを書いていた(イメージ)。たぶん同一人物だと思う。
  巫鴻「秦権研究」(『故宮博物院院刊』1979年第4期)
中華人民共和国では、考古学関係の人が文物取り扱い担当として、絵画や書も担当にすることが少なくないようだ。
 おそらく、この巫鴻氏もおなじような研究暦の持ち主だろう。、武梁祠画象石の研究など、いかにも考古文物畑の人らしい。

posted by 山科玲児 at 08:54| Comment(0) | 日記