2023年03月25日

レオナルド・ダ・ヴィンチを探して  のヴァザーリ引用

レオナルド・ダ・ビンチを捜して 東京書籍 (2).JPG


レオナルド・ダ・ヴィンチを探して (Artist by Artist)
者 ジョルジョ・ヴァザーリ (著),フランチェスコ・メルツィ (著),林 卓行 (監訳),神田 由布子 (訳),アントニオ・ビッリ (著),アノニモ・ガッディアーノ (著),パオロ・ジョヴィオ (著),マッテオ・バンデッロ (著),サッバ・ダ・カスティリオーネ (著),レオナルド・ダ・ヴィンチ (著),フラ・ピエトロ・ダ・ノヴェッラーラ (著),アントニオ・デ・ベアティス (著)

世界一有名な画家にして、「万能の天才」レオナルド・ダ・ヴィンチ。その謎に満ちた生涯を、同時代の証言者たちやレオナルド自身の言葉から読み解く。発売日:2020/08/31
https://honto.jp/netstore/pd-book_30461680.html

このレオナルド本なかなか良いところが多いので買って読んでいる。

ただ、代表的なレオナルド伝であり、この本でも最もページ数を費やしている
ヴァザーリ「画家彫刻家列伝」のレオナルドの章の、なぜか末尾のほんの少しの部分が省略されていることが不思議である。英語版になかったので、日本語版でも省略した、と翻訳者注釈に書いてある。
これも不思議なことである。英語版は、一応まともそうな美術史家のロバートソン氏の概説+編集(英訳)なので、ますます不思議だ。

一応、イタリア語原文
Lionardo da Vinci
https://it.wikisource.org/wiki/Le_vite_de%27_pi%C3%B9_eccellenti_pittori,_scultori_e_architettori_(1568)/Lionardo_da_Vinci

と、その末尾部分の1903年のHerbert P. HORNEの英訳(下イメージ)をあげておく。

こういう古文献の抜粋翻訳はとても便利なのだが、ヴァザーリはともかく、他の文献には英訳が無いものもあり、裏をとるということができない。そうなると、どこまで信用していいのかという問題がでてしまうところがつらい。
horne leonardo det.JPG
posted by 山科玲児 at 06:13| Comment(0) | 日記

広東の西洋式風景画

Formerly_George_Chinnery_-_View_of_Chinese_Harbor,_possibly_Macao_-_B1977.14.6113_-_Yale_Center_for_British_Art.jpg

中野 美代子 ,  その政治の図像学 乾隆帝 (文春新書) 新書 – 2007/4/20
  230−232頁に、香港などで西洋式風景画がスーベニール・土産物として量産されたという話が書いてある。
 George Chinnery (Chinese: 錢納利; 5 January 1774 ? 30 May 1852)が特に有名で ひとつの様式を作り出したという。上イメージはチネリー派の作品
https://en.wikipedia.org/wiki/George_Chinnery

  日本からみれば、江戸後期、司馬江漢が、長崎でみたり購入したりして手本にしたものは、本場オランダで制作されたものではなく、こういう香港やマカオで制作された土産物ではなかったか?

マカオ美術館にある マカオ風景画(無名中国人画家)ただし、これは明治時代の作品
https://www.mam.gov.mo/cn/collectiondetail/73

  色の使い方などもよく似ているしね。。

 しかし、こういう土産物的絵画から、司馬江漢 やメガネ絵を経て、あの北斎の富嶽三十六景の圧倒的なアイデアへ昇華させたのはたいしたものだ、と思う。
posted by 山科玲児 at 04:58| Comment(0) | 日記