2023年05月26日

室町の普通の刀


muromachi horyuji seiendo.JPG

国宝や重文の刀剣も素晴らしいものではあるし、なかにはご神体・神剣というべきものもある。

しかし、一方で普通の武士が合戦で消耗品同然に使っていた刀剣もあるわけである。

豪華で神秘的な刀剣ではなく、そういう普通の刀剣は消耗品なので意外に伝世されにくい。

法隆寺の西円堂には普通の武士が奉納した刀剣が1万ぐらいあるそうで、当然実用品ばかり、ほとんど錆だらけになっているという有様らしい。その中で流出したものもあって、

今、東京国立博物館に展示されているものもある(イメージ: 当方 撮影)。
本館2F
黒漆打刀  室町時代・16世紀     大橋保氏寄贈 F-20006

これは至って実用品らしいつくりで、室町時代当時の武士たちがどういう刀剣を戦争で使っていたのか?という疑問に応えるものであろう。


posted by 山科玲児 at 19:15| Comment(0) | 日記

マスメディアの科学報道

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上野の国立科学博物館にあるタリーモンスターの化石(当方撮影)

マスメディアの記者は研究者ではないとはいえ、かなり酷い科学報道も多い。子供の頃、新聞の科学報道に踊らされて、ひどい誤解をしたこともあった。小中学校の教員の方々も、充分注意されたし。意外なことに朝日新聞のほうが多少良心的である。

近年の例では、

*2016年3月18日 日経BP
  謎の古代生物タリーモンスターの正体がついに判明
   まさかの脊椎動物! 半世紀来の科学者の夢がやっとかなった
    https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/031800099/
  ↓

*2023年04月17日
   謎の古生物「タリーモンスター」、3D形態解析で脊椎動物説に反証
    https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2023/8399/
*2023年04月23日    謎の古生物「タリーモンスター」は脊椎動物ではなかったことが突き止められる
   https://karapaia.com/archives/52322047.html
posted by 山科玲児 at 06:20| Comment(0) | 日記

上野の科学博物館

国立科学博物館.JPG


上野の科学博物館は、新装以前にしかいったことがなかったが、今回時間の余裕もあり、
エディアカラの化石をみに行ってみた。
原生代・エディアカラからカンブリア紀ぐらいまでしかみなかったが、展示の充実には驚いた。新館:地球館の地下2Fである。

前はエディアカラの化石など、小さいのが2つぐらいしか展示されていなかったように思う。今回は、大きいのはレプリカかもしれないが、多数展示されていた。
 解説は、ヴェンド期(エディアカラ期)の生物の生活や新陳代謝については、未だ謎だというスタンスのようである。

また、原生代以前のごく初期の微細な化石を含むガンフリント・チャート
シアノバクテリアの長年の累積によるストロマトライト
など、先カンブリア紀生物に関心のある向きにはポイントをついた展示がなされている。

カンブリア紀ではバージェス頁岩、雲南省澄江石灰岩の化石のほんものが展示されていた。小さい物が多くいまいち鑑賞しきれなかったが確かにバージェスのは黒いつるつるした頁岩であり、南中国のは白茶色の石灰岩であることは印象的だった。

また、1955年に発見され、1966年に記載された体長約10cmの「タリーモンスター (Tullimonstrum gregarium)」というよくわからない生物の化石も展示されていた。

また、巨大なアンモナイトの化石(北海道)や、新生代極初期のものだが、石灰岩の中に魚群がそのまま閉じ込められているような化石はとても印象的である。
posted by 山科玲児 at 06:04| Comment(0) | 日記