2014年06月19日

索靖 月儀の唐模本がロシアでみつかった

索靖 月儀.JPG


拓本法帖(イメージ)でだけ知られていた、西晋の索靖の書と伝えられる月儀の、唐時代の模写本断片がロシアにあることが報告された。断片とはいえかなり大きいので書道史に関心のある向きには重要であろう。

西林昭一先生が、浩瀚な「俄蔵敦煌文献 十七巻」から2点みつけて報告されていた。このニュースを知ったときは、驚いたものだ。ただ浩瀚高価な「俄蔵敦煌文献 十七巻」をこのためだけに入手しようとは思わなかった。個人には無理である。丸山女史は、更に3点みつけて、更に現地ペテルスブルグで調査して、良質の模写本であることを確認したようである。こう言う調査も個人には無理だなあ。ペテルブルグの研究所までたどり着いても門前払いされてしまいますからね。


ロシア科学アカデミー東洋写本研究所蔵 「索月儀帖」断簡についての基礎的考察
丸山, 裕美子 , Yumiko, MARUYASMA
愛知県立大学文字文化財研究所年報
6pp.106 - 91 , 2013-03 , 愛知県立大学文字文化財研究所
ISSN:1884-8958
NII書誌ID(NCID):AA12431264
https://aichi-pu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=1463&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1


この「月儀」は、下記の唐人十二月朋友相聞書とは関係がない。月儀というのは、普通名詞で「月別の時候の挨拶を手紙で書くときの模範文例集」であるから、各時代に色々な人が作っているのだ。

 https://www.jstage.jst.go.jp/article/shogakushodoshi/2011/21/2011_45/_article/-char/ja/


 イメージの拓本法帖の原本は、辛亥革命前には、端方の所蔵だったんだが、その後行方不明になり、この有正書局の石印の粗雑な印刷本だけが唯一のなごりである。二玄社のものも、書品のものも皆、有正書局本を使っている。本ののどを大きくひらけないので、図版にみる右端の印章が二玄社のものも、書品のものではよくみえてない点から、原本がみな有正書局本であると推察できる。



posted by 山科玲児 at 09:31| Comment(0) | 2014年日記
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