康生といってピンとくる人はかなり年配になってきたかもしれない。文化大革命中、秘密警察のトップであり、中国のベリヤ と怖れられた康生(張宗可)は、山東省の名家の出で、硯や古書善本の収集家でもあった。なんかなあ、当時でいう「黒五類」の出身なんだよな。「黒五類」の康生が「黒五類」を狩りたてる紅衛兵をあおるという奇怪な状況が文革だったのだ。そういえば、江沢民も実父が汪精衛や日本軍に協力していたのでそれを隠すためにことさら対日強硬派をきどったらしいね。
その康生の一〇代ほど前の先祖、張應甲もまた、清代初期の大コレクターであり、趙子昴の鵲華秋色図巻をはじめとする名品を多数もっていた。
ちょっと澄清堂帖の所蔵印にからむ問題をチェックしていたら、この張應甲という大コレクターを調べていたら、康生の先祖であったとわかった。なんとも驚きだ。イメージは張應甲の印章(ボク西張應甲蔵書画印)。
ちなみに康生の書(下イメージ)も、実はなかなか良い。これをみると書が心を表すなんて信じられなくなる。
