2014年12月28日

盗品と古美術

墓盗人と贋物つくり



  美術界や古美術の話で、盗難・盗品という話は屡々でる。有名な宝石と同様に高価で、しかも金塊などと違って分割が難しく伝世のあとをたどることができるからである。また、基本的には、類品はあるとしても唯一無二なので人間の所有欲・虚栄心をあおるところがあり人間ドラマを生みやすいからであろう。金塊や札束を盗んだとしてもその金塊や札束の歴史が語られるなどということはない。

 美術館博物館にしても蒐集家にしても、盗品を買ってしまったりすることはあるだろうし、有名な絵画にしても盗品になってしまった歴史をもっていることが多い。モナリザも一度以上盗難されているし、ゲントの祭壇画の盗難事件は私も書いておいた。
  ゲントの祭壇画の盗難とその模写 、及び2、3の問題      http://reijiyamashina.sakura.ne.jp/gentalte.htm

 ただ、問題になるのは、盗難時に破壊されたり、汚損したり、分割されたり、改造されたりすることが少なくないことである。
 例えば、中華民国期に、蒐集家 裴景福のところから盗まれた薦季直表墨跡
は、盗賊によって地下に埋められてしまい、腐って消滅してしまった。

 最近では、ソウルの韓国美術博物館にあった盗品48点に「盗品であることを隠すために題記をきりとったり、塗り直したり」というような破壊が行われたようである。
レコードチャイナ http://www.recordchina.co.jp/a96214.html

ただ、この破壊が韓国美術博物館自身によって行われたのか、そこに入る以前の段階で行われたのは現時点では不明である。

しかしながら、上記リンクの中央日報の記事によると、
>「田舎の廃家のようなところに国宝級の文化財がぎっしり並んでいた」
>「仏像と仏画の上に積もった塵は1センチ以上もあった」

 という(誇張もあるだろうが)凄惨な保存状態だったようで、美術館博物館どころか、蒐集家としても落第だ。

イメージには 主に日本考古学上の盗掘・贋作をあつかった興味深い本
玉利 勲、墓盗人と贋物づくり―日本考古学外史 (平凡社選書) 、1992/4


posted by 山科玲児 at 09:41| Comment(0) | 2014年日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: