2015年03月04日

メトロポリタン アジア部門100年記念号 その1


  メトロポリタン美術館のアジア部門が、組織としてできてから今年で100年ということで、香港の雑誌 Orientationsが特集号を出している。
 https://www.orientations.com.hk/backissue/volume-46-number-2/
昨日、AIRMAILで来たものなので、まだ観ていない人も多いだろう。
この号は相当力が入ったもので、最近のOrientationsとしては、出色の出来だ。

 なんと、広告頁にも興味深いものが多い。
 広告は、時間が経つと意味がなくなるものもあるので、まず広告からみていこう。

 まず、ニューヨーク  サザビーズで、「坂本五郎の眼」というオークションを3月17日にやる。以前大阪市立東洋陶磁美術館で「安宅英一の眼」という素晴らしい特別展があり、さらに1984年という昔に和泉市久保惣記念美術館で「中国の美術 一人の目」という特別展もあった。こういうふうに一人のコレクターや商人の鑑識眼をテーマにする展示やオークションは結構あるようだ。信頼性をみつもることができ、また故人の見識を偲ぶという敬慕の意味合いもありなかなかよいと思う。
 東京の古美術商  不言堂 の坂本五郎氏は、不言堂を大きな店にし、世界に活躍した人で、功績も大きい。また不言堂で修行して独立した骨董屋も多い。しかし、あくの強い人であり、その眼識は必ずしも超一流とはいいがたい。 奈良国立博物館に寄贈した坂本コレクションの青銅器は玉石混淆にみえた。その影響が弟子にも伝わるのか、ある骨董商は「不言堂出身の若い者は何をするか解らない」と警戒していたぐらいである。良くも悪くもバブル時代を象徴したような人だった。その坂本五郎氏があつかった(または坂本家にあった)コレクションの売り立てである。
Chinese Art through the Eye of Sakamoto Gorō – Ceramics
 17 March 2015  | 10:00 AM EDT  | New York
http://www.sothebys.com/en/auctions/2015/sakamoto-n09336.html
 まあ、レベルは高いものが多いようである。

 実は同様のオークションは昨年9月にも行われていて好成績だった。このサイトには動画もあって面白いが、最初に出てくるVORTEX JARてのはそんなにいいのかねー、ま、サザビーズとしちゃ売りたいのだろうが、
Chinese Art through the Eye of Sakamoto Goro Song Ceramics | Sotheby's
http://www.sothebys.com/en/auctions/2014/sakamoto-goro-ceramics-n09189.html


  次に驚くのは、東京青山のDaijindo Gallery Ltd(漢字 不明)の広告である。 割れているとはいえ、成化のチキンカップだ。 勿論 写真だけでは到底判断できないが、かなりましそうなものだ。この店はサミー=リーこと李汝寛氏がマンションで経営していたもので、店舗というよりブローカーのような商売をやっていらしたようである。現在はだれがどう経営しているのかはわからない。李汝寛氏は2011年9月9日に山東省青島で逝去された。109歳の御長寿であった。そのことは、
 http://reijiyamashina.sblo.jp/article/49523493.html
に既に書いておいた。

 ちょっと変わった広告では、あのネルソン美術館があるカンサスシティーにあるデザイナーブティック
Asiaticaの広告がある。ここは日本の着物を分解した布をパッチワークして興味深いアパレイルをたくさん作っている。
 そのセール?ファッションショー?をニューヨークのホテルロンバルディで3月16−27日でやりますという告知である
 http://www.asiaticakc.com/
これも異風でいい。

 異風ついでに、在米中国人現代アーティスト(現代芸術家というのかな 画家とかいうカテゴリーにははいらない)Xu Bing(徐冰)のリソグラフがある。 平凡な山水画だが、上に書いてある題が漢字ではない。 Xu Bing字 とでもいうべき全く読めないなにか違った文字体系で書いてあるのである。いつもながら、これは芸術というべきか、異言語の提示に過ぎないのか。迷うところである。まあ個性的には違いない
 Xu Bingのサイト http://www.xubing.com/index.php

 これまた変わった売り方として、
Maria Kiangは、鉄牛とそれを富岡鉄斎が描いた絵と書をセットで売るというアピールをしていた
http://www.mariakiangchineseart.com/catalog_detail.php?p_id=261_33_17
 鉄斎自体本物かどうか鉄牛自体 古いものかどうか、疑えば切りが無いが面白い売り方である。

 また、ニューヨーク+ホノルルのロジャースの KAIKODO Galleryは、清朝宮廷で制作された稿本を売り出していた。この、正式の制作をやる前の稿本  画稿というものは、中国絵画収集では、わりと無視され廃棄されてきたように思うが、台北故宮にある清代の清明上河図の画稿を初め面白いものは多いと思う。

 まあ、ざっとめにつく広告をみても大変興味深く、本体に入る前に力尽きてしまった。


posted by 山科玲児 at 07:20| Comment(0) | 2015年日記
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