2012年07月30日に、
正木美術館の黒い人形
で、黒陶明器の話題を書いたが、最近メトロポリタンのサイトをみていて、新しい情報をみつけた。
スウェーデン生まれで、米国と北欧をつないでパルプ事業をやっていた実業家 エリクソンのコレクションは、1985年にかなりメトロポリタンに入っていて、優れたものも多い。その中に黒陶明器の帯コウと鏡があるのだ。明器だから実用品ではない埋葬用の模型なんだが、メトロポリタンは、MODERN つまり20世紀の贋作だとみなしているようである。
Model of a Belthook
http://www.metmuseum.org/collection/the-collection-online/search/50042
Model of a Mirror
http://www.metmuseum.org/collection/the-collection-online/search/50041
Model of a Belthook
http://www.metmuseum.org/collection/the-collection-online/search/50042
Model of a Mirror
http://www.metmuseum.org/collection/the-collection-online/search/50041
実はこのような帯コウと鏡のセット が、フリーアにもあるそうだ(上)。これは1951年以前にフリーアに入ったものである。はじめこのメトロポリタンのは上イメージのものと同じかと思っていたが、よくみると。どうも違うようなので、フリーアとメトロポリタンに各一セットづつあるのである。更に大和文華館にも模様は違うが同じような黒陶明器の帯コウと鏡がある(下イメージ)。これは1959年に大和文華館に入ったものである。どうも、こういう器物の黒陶明器は、まだ少しは信用できるのでは?と思っていたが、こういう伝世経路をみると大丈夫かよ? と疑わざるをえない。なんでセットになって各コレクションに入るのだろうか??
それも、比較的筋の良い権威のありそうな、フリーア・エリクソン・大和文華館というコレクションに入ったものだからますます不思議になる。