掛け軸や画册の長方形の絵画画面と違って、巻子本:巻物の横長、ときには10m以上もの長い画面があるものは、なかなか全貌を観賞するのは難しい。博物館などでも部分的にしか開いていなくて他の部分をみてみたいとイライラするものである。
最近は、長大なケースが用意してあって、全部開いてあることも多い。また別のディスプレイでみれたり、いろいろな工夫があるようである。それでも、高価なレプリカの巻子本を買って手元でひろげてみてようやく納得できることもある。
シカゴ大学で巻子本プロジェクトというのをやっているそうで、巻子本をネットでうまく観賞させるしくみを開発して、かなり上手く観賞できるようになっているようである。
推薦したい。
日本の一遍上人絵巻(東京国立博物館)や菱川師宣の吉原絵巻まである。
まあ、定番の清明上河図もある。
https://scrolls.uchicago.edu/view-scroll/52
ただ。これは、冒頭の紙と印の部分、末尾の跋文部分がないのは残念だ。かなり手抜き感がある。他の絵の場合、前後の表装・跋が全て収録されているものが多く、実に素晴らしい。
https://scrolls.uchicago.edu/view-scroll/52
ただ。これは、冒頭の紙と印の部分、末尾の跋文部分がないのは残念だ。かなり手抜き感がある。他の絵の場合、前後の表装・跋が全て収録されているものが多く、実に素晴らしい。
このなかで注目したいのは
仇英の
Saying Farewell at Xunyang 潯陽送別図巻 Nelson Atkins
https://scrolls.uchicago.edu/view-scroll/163
と
Peech Blossum 桃源図巻 Chicago Institute of Arts
https://scrolls.uchicago.edu/view-scroll/163
と
Peech Blossum 桃源図巻 Chicago Institute of Arts
で、ある人は潯陽送別図巻は後者から派生した模倣作じゃないか?という疑念を漏らされていたが、これで比較するとどんなものだろうか?後者の桃源図巻は少し余裕がなく詰め込みすぎの嫌いがあり、仇英の才腕によるものかどうかにはかなり疑問を感じるものである。
美しさという点では潯陽送別図巻のほうが素晴らしくみえる。
美しさという点では潯陽送別図巻のほうが素晴らしくみえる。
素晴らしい情報をありがとうございます。時間作ってまた覗きに参ります。
とっくに気がついていらっしゃるとおもいますが、左下のアイコンでゆっくり広げる巻き取るモードになります。
またこれは欠点だろうと思いますが、右下に四角な領域が表示されることがありますが、右上のアイコンによる全画面表示にすると右下の邪魔な四角をある程度回避できるようです。
細かい操作法はよくわからないので、よりよい操作法があればご教示ください。