2015年05月17日

長沙窯と青花 唐代沈没船にちなんで


 長沙窯の中国陶磁と緑彩の陶磁器を何万個も積んでいた唐時代後期(AXE830前後、平安初期)の沈没船がインドネシアのBelitung島の近くから引き上げられました。引き上げ資金はシンガポールの企業がスポンサーしたみたいですね。結局シンガポールの
に、復元された船と引き上げ品が展示されているそうです。

 この引き上げについては、トレジャーハンティングだと考古学者から非難があり、米国のフリーアサックラーでの展示会が中止になったりしました。でも、当事者の話を読むと結構真面目みたいだし、それ以外の盗掘者?の妨害も多かったらしいので、まあいいんじゃないのかな、古墳と違って海洋のトレジャーハンティングには、うるさくいいすぎると結局盗掘しかできなくなるんじゃないの。
http://www.tilmanwalterfang.org/news/
引き上げ品には、このタイプでは最大の黄金杯があるそうです。口径が13cm以上って、なんか丼なみの大きさですね。

WIKIMEDIAに引き上げ品の写真が結構あります。


  とにかく、長沙窯の陶磁がどっさりある荷物に青花の皿が3点あったというのが注目ですね。長沙窯は釉薬の下に鉄や銅の化合物で絵を描くという技法をずっとやってました。この鉄や銅をコバルトに変えたら青花になるのですから、青花は長沙窯で始まったと思っています。ただ、今は河南省の唐三彩窯で青花が開発されたという意見が強いようですね。最近の議論はあまり知らないのですが、たぶん地の土の違いですかね。長沙窯の土は真っ白にはならないで、あまりきれいじゃないからなあ。。灰色っぽかたっり褐色っぽかったりします。

 長沙窯の釉下の鉄と銅の彩の例を下に挙げてみます。銅の場合、トルコ石風の青がでてとてもきれいです。

長沙窯小壺detail2.jpg長沙窯小壺detail1.jpg
posted by 山科玲児 at 11:10| Comment(0) | 2015年日記
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