図書館で借りて読みましたが、 かなりいい本ですね。
あら探し しても、なかなかみつかりません。
三〇〇頁以上の大冊なんですから、アラがあって当たり前ですが、結構周到な満を持した本ですね。勿論 想像や空想も多いのですが、それはちゃんと「想像」「推測」「空想」とわかるように書いてありますから、間違えようがありません。
しいて、一つだけあげると、203−205pで、「ベリー公のいとも豪華な時祷書」の細密画(図55)を1415年ごろとして、議論していますが、この絵は1483,4年ごろにジャン=コロンブが補った部分であり、70年も後なんで、時代の前後関係の議論がおかしくなっているところぐらいです。
おまけに、英語 フランス語などの文献で、私と同じものを読んでいるのが明らかです。
バレのパティニール本も愛蔵していますからねえ(イメージ)。
これは、ひょっとしてタワリシチじゃないのかな?と親近感を覚えました。
2005年に、プラドを訪ねたとき、「ステュクス川を渡るカロン」と「聖アントニウスの誘惑のある風景」には驚嘆しましたが、「エジプト逃避途上の休息のある風景」は大きいばかりでくすんでいて印象が悪く、「聖ヒエロニムスのいる風景」もそれほど感心しませんでした。これらは、その後たぶん、2007年のパティニール展に合わせてクリーニングされてかなり美しくなったので、私がみたときと印象が違うのではないか?と思っています。
また、女性半身像の画家の美しい作品を何点も欧州で観る機会があった(イメージ)ので、
この本で、 [パティニールの弟子のカレル アレルツでは?]
という著者の推測は刺激的ですね。そうすると、あの女性たちのモデルはパティニールの娘たちブリジットかアンナなのか?とか、空想したくなります。
という著者の推測は刺激的ですね。そうすると、あの女性たちのモデルはパティニールの娘たちブリジットかアンナなのか?とか、空想したくなります。