2015年05月26日

ミヘール コクシー


 コクシーMichiel Coxie1499 – 1592というと、カール5世、フェリペ2世の腰巾着・宮廷画家で、忠実だが面白くない模写ばかりやっているつまらない画家という印象があります。

近年 ルーヴァンで特別展があって、思わぬ一面が発見されたようです。


なんというかな、パルミジャニーノそっくりなんですね。その上、衣装や大理石の床なんかはフランドル風の細密描写で、なんか変で凄い。 年齢はパルミジャニーノ(1503-40)より4歳年長でほぼ同時代ですが93歳という高齢で逝去しています。画家の生涯としては最長クラスですね。模写が得意な人だから模写して学んだのかもしれませんが、この大きな絵は本家イタリアを超えているような感じすらします。

Michel Coxie
聖アンの家族
CMがはいるのが難点ですが、、、
http://www.fansofflanders.be/Channels/Arts%20Flanders/17_January_2014/1301_Cocxie
いやあ、これは凄いです。
やはり16世紀というのは一番混沌としていてスーパースターが少なく、
里程標がたてにくいので、今後もいろいろな見直しが進むのではないかと思います。

この絵は
クレムミュンスター修道院
http://stift-kremsmuenster.net/
にあるのですが、このクレムミュンスター修道院は、ハプスブルグ一族の隠遁所みたいですね。修道院といっても巨大な都市 城塞 封建領主なのですから、日本で考える修道院とはイメージがそうとう違います。

石川美子「青のパティニール 最初の風景画家」(みすず書房)
http://www.amazon.co.jp/dp/4622078449
にも、ハプスブルグのレオポルドがパティニールの絵をクレムミュンスター修道院に寄進、のちにメトロポリタンに流出した話が書いてありましたので、なんか縁というか、優れた作品は大体同じ道で伝世することが多いのか?
と感じたものでした。


posted by 山科玲児 at 19:07| Comment(2) | 2015年日記
この記事へのコメント
ルーヴァンで観たときにはパルミジアニーノは連想しなかったのですが、
そういえばそうですね。優美なる歪曲、フィグーラ・セルペンティナータ。
自分の観覧記録を読み返してしまいました。

あのあとブラッセルのサン・ミシェル大聖堂のも観ていますが、あそこのはつまらない印象でした。「優れた作品は」という御説もなるほど、と拝読しました。
Posted by ゆう at 2015年05月27日 17:07
>ゆう  様

 ポントルモでもブロンチーノでもグイドレーニでもなく、パルミジャニーノなんですよね。
 小生が好きなポントルモ カポーニ礼拝堂の空虚な不安定な恐怖が漂う世界でもなく、ブロンチーノの冷徹で打算的な世界でもないので、これはパルミジャニーノでしかないな、と思ったものです、

ローマ劫掠という大事件の後に ミヘールが来ているとしたら色々感慨もあるでしょうね。

Posted by 山科 at 2015年05月27日 21:16
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