2015年06月28日

法隆寺 重刻拓本が北京へ旅する




北京泰和嘉成はく売有限公司 2012年5月24−25日に開催した
古物同欣  金石碑版 はなかなか面白いものがでていた
http://auction.artxun.com/company-800/PMH342102503/381358343/ (中共  北京のサイト)
四川省で、文革のとき蔵書を焼かれた易忠ロク先生題跋のものや、張伯英旧蔵の祀三公山など面白いものが多かったようだ。概して原物の拓本の良否ではなく、名家の跋や題記があるかどうかで落札価格が決まっているような感じがする。

そのなかで、日本の法隆寺の佛像銘文がでていた
  No.0064
楊守敬題  端方蔵日本法隆寺造像
 76000元というから100万円以上であり、ずいぶんな価格だが、これはまわりに書いた楊守敬の題の値段だろう。
というのも、この拓本は本物ではなく、重刻模刻である可能性が高いからだ。
この模刻はずいぶん古くからあったということになる。明治時代 ひょっとして江戸末期から、土産物用に別に銅板で制作されていたのではなかろうか?

この種の1紙に法隆寺の重要な銘文を皆拓したセットは、どうも怪しいものが多い。
早稲田大学のものもよくないようにみえる。
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/chi10/chi10_01816/chi10_01816_p0001.jpg

この釈迦三尊光背銘 拓本の判別については、ここに書いておいた。
本物らしい法隆寺金堂釈迦三尊光背銘拓本
http://reijibook.exblog.jp/17986448/

posted by 山科玲児 at 10:31| Comment(0) | 2015年日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]