最近ネットオークションなどをみていると、たまに龍門造像記拓本の贋物というか、翻刻がでていることがある。私も平成4年1992年に、比丘法生為孝文皇帝 北海王母子造像記翻刻(イメージ)を一つつかんだことがあるので威張れたものではないが、龍門造像記については、かなり精巧な贋物というか翻刻が多種あるように思っている。この北海王母子造像記拓本は、今再度みてみると本物じゃないか、と考え直したくなるほどよくできている。欠損や字形はいたって忠実で線質に疑念があるくらいである。
龍門造像記の場合、旧拓を翻刻したものではなく、新拓ややや旧拓ぐらいのかなり摩滅破損したものを翻刻したものが多い。 破損・摩滅した様が露骨なので、まさか翻刻ではあるまいと油断してしまうのである。
一つには、龍門造像記は文化大革命時代にも剥落や破壊が進んでいて、民国時期の拓本でも価値があること、サイズが小さいので彫りやすいこと、価格的には、極端に高いものではないので、お手頃な価格ということで神経質な点検を免れやすいこと、龍門4品、10品、20品とセットで売ったりすることが多いので、欠けているものを翻刻で補うというようなこと、があったのではないか?と思っている。
この件については、書学書道史学会会員、新潟大学の岡村浩さんが、
教材開発 龍門造像記原拓研究 というちょっと面白い論文を書いている
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006483240
http://ci.nii.ac.jp/els/110006483240.pdf?id=ART0008508644&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1435961768&cp=
教材開発 龍門造像記原拓研究 というちょっと面白い論文を書いている
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006483240
http://ci.nii.ac.jp/els/110006483240.pdf?id=ART0008508644&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1435961768&cp=