は、最初は、太陽系外惑星発見本として愛読したのだが、出版が2003年と古いこともあり、その後の発見がのっていないので、やや閑却していたきらいがある。
しかしながら、最近 再読してみたら、他の「発見物語本」とは比較できないぐらい優れたところがある本だとわかり、ずっと図書館から借りて読んでいたのだが、遂に注文しようと思ったが、本屋にはない。アマゾンでみたらなんと古本しかない。どうやら絶版品切れになってしまったようだ。
やはり、発見本としては情報が古いということがあり、絶版のうきめになってしまったのだろう。
この本の優れているところは、発見物語が生き生きしていることだけではないし、最新情報が得られることではない。
「太陽系外惑星の発見が、どういう意味をもつのか」というところを深く追求しているところにある。おそらく著者が最も関心のあるらしい「太陽系形成理論の再構築」には特に力が入っている。
最新情報を加筆した改訂版がでることを期待したいが、ともかくなくなってはしょうがないので手頃なネット書店で注文しておいた。
最新情報を加筆した改訂版がでることを期待したいが、ともかくなくなってはしょうがないので手頃なネット書店で注文しておいた。
ここで、私が最も不安を感じたのは 第4章155p−にある「惑星系は安定か」というチェンバースのコンピュータ シュミレーションによる結果である。ここでは3個以上惑星がある系は必ず不安定になりカオス化してしまうという驚くべき結果がでている。しかも、それはそんなに難しいものではなく学生のコンピュータ演習でもやれるくらいの計算で結果が得られてしまうものらしい。
とするとですよ、昔、ソビエト=ロシアでコルモゴルフとアーノルドが、得た「太陽系の安定性」の天体力学的な定理とは矛盾するではないか? 一体どっちが正しいのだろうか?
このアーノルドの定理については1971年に出た解説書で、長年親しんでいたので、この矛盾については真面目な分析が必要だと思う。
太陽系の運命 (1971年) (科学技術選書) 1971
ヴェ・デーミン
http://www.amazon.co.jp/dp/B000JA2I6A
太陽系の運命 (1971年) (科学技術選書) 1971
ヴェ・デーミン
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天体力学の理論というのは、かなり伝統芸能的な精緻な成果が19世紀から積み上げられてきているので、新しいほうが正しいとかいうものではない。
チェンバーズとアーノルドの矛盾はどうなるんだろうか??
まあ、太陽系自体は惑星は2個(木星と土星)で、惑星質量の大部分をしめているので2個の惑星系に近いといえないこともないが、、