エスコリアルの壮大な図書室は、その天井画が豪華で有名らしい。豪華ではあるが、ありきたりの感じがした。 内部撮影禁止だったので、wikimediaから あげる。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:EscorialBiblioteca.jpg
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:EscorialBiblioteca.jpg
しかし、前も述べたように、私が一番驚いたのが、全ての本が普通とは逆向きに入れてあり。頁をめくるところ、こぐちが外にみえていることだ。こぐち は全て天金ならぬ金で塗られていてその上に黒で題名が直接書いてある。和本や唐本にあるこぐち書きのようなものであるが、なんで背表紙をみせないのか、全く理解できない。暗いと、このほうがよくみえるからであろうか???
イメージはwikimediaから選んだ画像の部分拡大である。よくわからないかもしれないが、あまり良い写真がないので許されたい。
まあ映画「薔薇の名前」ででるような中世の図書室の本は、また違う装幀だっただろう。オスマントルコのトプカピ宮図書館の本は背表紙がない装幀が結構あった。あるいは、こういうトルコ風装幀の余波なのかもしれない。どちらにしても、古い時代の図書室の描写というのを再考したくなる気になった。他の古い王室図書館・修道院図書館はどうなんだろうか? ミラノのアンブロジアーナでは普通にいれていたように記憶しているんだが、ヴァチカンはどうなんだろう??
小口を向けて入れてあるというのが面白いですね。
ご指摘がなかったら、写真を見ていても気づかなかったかもしれません。
プランタン・モレトゥス印刷博物館の図書室http://www.museumplantinmoretus.be/en/content/about-museumや、
ヘンドリック・コンシアンス図書館http://www.consciencebibliotheek.be/Museum_Erfgoedbibliotheek_EN/ErfgoedbibliotheekEN/The-Nottebohm-Room.html
といった「古い」図書館でも普通に背表紙を見せてます。時代的にフェリペ二世とあまり変わらない頃のものだと思ってましたし、スペインよりは絶対に「暗い」とも思いますし、そもそも背表紙を見せない入れ方、というのはやっぱり不思議な気がします。
16世紀あたりの肖像の背景に本棚があったりしますが、それらも背表紙が見えているように思います。もっとも、この手のものの場合は意図的に「見せている」可能性も大ですが。
もっと昔、14−15世紀あたり手書き写本からインキュナブラの頃だと、本は寝かせて積んでおくものだったと読んだ覚えがあります。
Avranches にあるモンサンミシェルの古文書館 http://www.scriptorial.fr/ はどうだったっけ? と探してみたところ 15世紀の絵を見つけました。http://bvmm.irht.cnrs.fr/ 書台に載せてあるもの、開いてあるものと一緒に、背表紙を下にして置いてある本もありますね。本棚に入れるのとはまた違うとも思いますが。
コメントありがとうございました。
プランタン・モレトゥス印刷博物館の図書室
や
ヘンドリック・コンシアンス図書館
でも、普通に背表紙をみせていましたか。
この逆向き入れ、金のこぐちに墨書き というのは、エスコリアルで初めてみました。
あるいはエスコリアルだけの習慣なのかもしれません。フェリペ2世の趣味?? まさかね。
また、ここを訪ねた人は無数にいるのに、だれも書いていないようにみえるのが不思議ですね。