2016年06月16日に、
エスコリアルの図書室
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/175712688.html
>私が一番驚いたのが、全ての本が普通とは逆向きに入れてあり。頁をめくるところ、こぐちが外にみえていることだ。こぐち は全て天金ならぬ金で塗られていてその上に黒で題名が直接書いてある。
>
と書いたが、
この謎の一つの解をみつけた。正しいかどうかはまだ、解らない。
「中世の鎖をつけた本を並べた書棚」の名残
というものだ。
美しい知の遺産 世界の図書館
2014
ジェームズ・W・P・キャンベル
というのを、図書館で読んで、
英国 ヘレフォード 大聖堂図書館の鎖で繋がれた書籍が列ぶ中世風の書棚
をみて、これだと思った。 全てこぐち側を手前にいれてある。 英語では、Chained Library というそうである。
エスコリアルでは鎖はないが、この伝統がそのまま連続しているのだろう。
上記の本にはウェールズ大聖堂図書館の書架があって、そこでは、鎖がついた本は こぐちが手前、そうでない本は、普通に背表紙が手前で書架に入れてある。
いくつか書見台が並び、それぞれに一冊づつ鎖つきの大型本が載っているのは覚えています。書架の本にも鎖があったような気もするのですが、記憶が朧。
「鎖つきの本」はハリーポッターにも出ていましたが、小口が見えていたかどうかはわかりません。最初に見せていただいた写真でもコメントがなければ気がついていなかったので、よく見たらそうなのかもしれませんね。いずれにしても薄暗いシーンでしたし。
https://www.flickr.com/photos/dorsetforyou/6876070751
オランダのズートヘンにある鎖附き図書室の場合
http://www.librije-zutphen.nl/index.php/english
は書見台につけるタイプなので、アントワープも同様だったのかもしれません。
英国にこの種の遺存が多いようにみえるのですが、フランス革命がなかったことと、調査が行き届いているからでしょう。古いオルガンと同様に忘れ去られたような田舎にあるかもしれませんね。