2016年09月04日

坂本五郎氏  逝去とオークション


古美術商:坂本五郎氏が2016年8月15日に逝去されました。九二歳

古美術商店「不言堂(ふげんどう)」を創業された方で、あくが強い人であったせいか、業界でも毀誉褒貶があったかたです。ある古美術商は、「不言堂の若い者は何をするかわからない」とさえ警戒していました。

 中国古美術を中心に売買されていました。
 東京国立博物館 東洋館に坂本五郎氏が御母堂の坂本キクさん名義で寄贈された大きな青銅器が数点あります。これは東洋館開館前後のころの寄贈ですから、ずいぶん昔のことです。
 奈良国立博物館の青銅器館は坂本五郎氏の寄贈 青銅器なんだそうですが(全部そうかどうかはわかりません)
  http://www.narahaku.go.jp/exhibition/sakamoto.html
 訪ねたときに、玉石混淆の感がありました。寄贈者の意思なんでしょうが全部展示しているせいか、かなり雑然とした感じが強かったと思います。なかには数点すばらしいものもあったと思いますが、その後、正倉院展などで奈良国立博物館を訪ねても青銅器館を訪れることはなかったのです。

 古美術商ですから、坂本五郎氏のプライベートな所蔵商品のオークション出品は最近何度もあったようです。昨年3月15日 ニューヨーク開催の「坂本五郎の眼」というオークションのことは、
    http://reijiyamashina.sblo.jp/article/114598085.html
で書いておきました。
 下記の9月13日ニューヨーク  サザビーズのオークションは、逝去後最初のものですが、相続問題を考えると逝去前にやっておきたかっただろうなあ。先日コメントしたクリスティ−ズのメトロポリタンの中国陶磁売り立てが9月15日ですから前後した期日ですね。
 13 September 2016 | 10:00 AM EDT | New York

 青銅器では、13番の青銅器の「双鴞ユウ」なんかは、わりとよさそうですね。
 ちょっと、コメントしたいのは、16番 戦国 象嵌帯コウ金具です。金具といっても36.2 cmもある大型のものですが、鉄製のせいで、錆の塊にしかみえません。この鉄錆の塊に観賞価値があるんでしょうか?
歴史的価値はあるといってもねえ。
 チャイナの戦国時代ごろに、金銀宝石トルコ石などで豪華に装飾した帯コウや金具に限って、鉄製品が多いんです。これは現在の「鉄」と「青銅」の評価を考えると不思議なことですが、当時は「鉄」のほうが珍重されたのか、あるいは実用の問題なのはわかりません。この「鉄製」であるために現在では錆の塊になってしまっている遺物が非常に多く、かろうじて原形を留めているものでも保存が難しい状態のものが多いようです。
  青銅なら、こんなにならないのにね。

posted by 山科玲児 at 10:27| Comment(0) | 2016年日記
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