日経サイエンス 2016年5月号は重力波の観測成功を大特集していた
これを読んで、気になったのは、
クラウス博士の記事のなかで
>BICEP2が捉えたBモード偏光は天の川銀河の塵(星間塵)によって生み出されたものだとする研究結果が2015年1月に公表された。
>
があったことだ。
2年ほど前、同じ日経サイエンス2014年6月号で
インフレーションの証拠を観測
という、記事があり、そこで書かれていたのが、このBモード偏光観測だったと思う。
とすると、2年前の、この報道・論説も覆るのではないか??
正直いって、「失敗した」「誤った」こともちゃんと報道して欲しい。そうでないと昔大宣伝した「大発見」が今でも正しいと思い続けてしまう。自然科学は「膨大な間違い」の上に成り立っているのだから、「間違った」と報道することは恥ではない。むしろ、その「間違い」を前提にして突っ走る研究を止められるし、間違い自身から得られるものも多い。例えば「超高速ニュートリノ」は間違いであったが、その原因が「光ケーブル接続の技術的問題(締め方が足りなかった??)」ということだった。これは、どんな最先端研究でも基礎的な手順、細部の工程をおろそかにしてはいけないという手痛い教訓となっている。もっと大きな話では、「永久機関」という壮大な間違いから「エネルギー保存の法則」「熱力学第2法則」がでてきた。
「間違い」を報道しないというのは、スターリン時代のルイセンコの専権や、毛沢東時代の大躍進のプロパガンタと同じではないか。そのために膨大な犠牲者がでたのだ。