2016年10月30日

空いてる 古代ギリシャ展

長崎県美術館 古代ギリシャ展ss.jpg

長崎県美術館の古代ギリシャ展 にまた行ったが、土曜午後というのに空いていて、気の毒になった。
古代ギリシャ ─ 時空を超えた旅 ─(2016年10月14日(金)〜12月11日(日)長崎県美術館 )
http://www.nagasaki-museum.jp/exhibition/archives/439
http://www.greece2016-17.jp/

かなり良い 展覧なのに、どういうわけだろう。私としては空いてるほうが有り難いが、主催者が良い展覧会を開催しなくなってしまうおそれがあるので、危惧している。
「どうせ、こういうのは客がきやしないよ」
というやつである。

  一方、九州国立博物館での高山寺 展は、全体としてはかなり地味な感じがしたが盛況のようである。例えば、公式ツイターによれば、昨日の土曜日15時では40分ぐらいの「入場」待ち時間だったらしい。館に電話したところ、常設展だけをみるのなら、別に早くいれてくれるルートがあるそうなので、来月行くときはその手を使うかな。

 それはともかく、今回の古代ギリシャ展はかなり充実している。
 ミノス文明では、テラ(サントリニ)からは、有名な壁画だけでなく、はっとするような見事な葉っぱの描写のある陶器絵があった(No.69) 下のURLの陶片は展示されているものとは違うものだが、一応出しておく。展示されていた水差しの葉っぱの描写はこれより優れている
http://ancient-greece.org/images/museums/thera-prehistoric/pages/thera-prehistoric-59.html
   また、蛸や貝、イルカなどの海洋静物を描いた壺などが面白い。
  ミュケナイ時代では、オリジナルの壁画断片「白い女神のフレスコ画」(NO.76)があり珍しいと思う。また、装飾的な柄をもつ剣が何点も展示してあり、なかでも瑪瑙の柄金の鋲をもつ剣は、ホメロスなども思い起こさせた。
  
 アルカイック時代も充実していて、
 アテナイのアクロポリス出土のコレー
 http://ancient-greece.org/images/museums/acropolis-mus/index.htm
は、各博物館がもつ同類の石像のなかでも、保存状態も含め良いほうを出展していると思う。けっして2流品ではない。
  クラシック時代  マケドニア時代のものになると、ちょっと奇妙なのは、それまで、時代順を意識して展示されていたのが突然、時代が違うものが混在するようになることだ。これは、やはり典型的なクラシック、フィデアス風やポリュクレイトス風、ブラクシテレス風のものなどは人気が高く貸し出しが難しいということだろう。そこでもっとあとのヘレニズム期やローマ時代のものを説明的に挿入することになったんだろうと思う。
 それでも、前述べた抜群の作の青銅像トルソがあった。また、今回魅了されたのは、プラトンのアカデメイア跡から出土したアテナ浮き彫りを含む大理石構築物(No.200)である。誰もみてなかったがこれは裏もあってそこにも興味深い彫刻がある。また、これは、まだ博物館で展示されていないようなので、ギリシャにいっても見ることはできないだろう。気品に満ちたアテナの頭部でもある。また、小型〜中型のものだが、優秀な白地レキュトスが2点、高名な「アキレウスの画家」の手になると推定された赤地レキュトスが1点、国立考古学博物館から出展されている。この「アキレウスの画家」の線描は巧みで、古代絵画の水準を示しているようにみえる。
 また、ぎょっとするのは、大理石板に浮き彫りしたリアルな乳房(242)や耳(241)や足(243)である。どうもこれは医学の神アスクレピオスと関係があるらしい。病気治癒の感謝の印の奉納と解釈されているようだが、ホントかな? ひょっとしたら病気をこれに移すという「身代わり人形」的な呪術的治療目的かもしれない。実のところこのような彫刻や遺物の出土品は、他の文化圏の遺跡にも多数みうけられるので、古代には多く行われたものだと思う。

  パルテノンのフリーズの模刻が展示してあったが、ちょっとできが悪かった。模刻の写真はとれないが、原物の古い写真と比べてみると、かなり遜色がある。カンボジアのクメール彫刻の模刻は迫真のものがあるのに、何百年も研究されてきたフィデアスの模刻が難しいというのは奇妙だが、一面納得できるところもある。

 マケドニアのコーナーには華やかなギンバイカの花冠を模した黄金の冠が2点もあって眼をたのしませてくれるこのような冠はVERGINAのマケドニア王族墓からもでているので、当時多かったものかと思う。
 また、南ロシア ウクライナのスキタイで盛行した容器シトゥラ(297-1)があったのは、スキタイに近いマケドニアの地理的位置から、なるほどと思った。

  最後の部屋では、例の青銅像が白眉だが、その直ぐ側にあるローマ時代後期のモザイクも、日本ではなかなか観賞できないものである。しかもこれはギリシャの中心部で作られたものなので、シリアやシチリアなどで多くみることのできるものとは少し趣味が違うようだ。

  通じて、小さな印章や印章指輪、粘土板の文字などは、文字や模様が見にくいので、双眼鏡か単眼鏡をもっていった方が良いと思った。

12月までに、また行くことにしよう。




 
posted by 山科玲児 at 11:31| Comment(0) | 日記
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