は、楽しい料理書ですが、その中にあったコラムに貴重な示唆を見つけました。
十六世紀にワインが日本に最初に入ったらしい(奈良時代に唐から入らなかったとはいえないかも??)のですが、それは、ポートワインやマデイラのようにアルコール強化した「加工ワイン」で、今現在、我々が普通飲んでいる赤ワインとは違うものだっただろうということです。
当時のワインは、「珍陀」の酒 と呼ばれていましたが、ポルトガル語 スペイン語由来です。
>ポルトガルワインはポルトガル語で赤ワインを意味するTinto(ティント)から「珍陀(ちんた)」と呼ばれ、戦国時代の武将も珍重したと
その理由は、現在の普通のワインでは、インド洋の熱帯性気候での長期航海には耐えられず腐敗して酢になってしまうだろう、ということです。当時の文献からも、こういうアルコールを強化したワインが航海用に使われたらしい痕跡があるそうです。
そういや、カリブ海で強いラム酒が海賊の専用のようになったのも、なにも海賊だからということだけでなく、保存の問題があったのかも知れませんね。買って船底に入れていたら腐敗してしまったんじゃ話にならないからね。
この「珍陀の酒」 という言葉は、北原白秋の 邪宗門、にも出てきていますから、知っている人は多いかも知れませんね。この言葉から当時輸入されたワインは赤ワインであったこともわかります。