2016年11月18日

香薬師像の背中

香薬師July 1932.JPG


香薬師像の右手 失われたみほとけの行方
著:貴田正子
という本が最近出版されました
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062202893
この本にものっていない 香薬師の背中がみえる写真図版をあげておきます。これは、飛鳥園の東洋美術 1932年7月号にのっているものなのです。 東文研や東京国立博物館などにはある雑誌でしょうから、その筋では周知のものだと思います。

 東京国立博物館の五部浄の腕や、芸術新潮1974年2月号に木戸敏郎氏が書いている 奈良元興寺薬師如来の背板のように、仏像の断片がよそに所蔵されていることはままあることのようです。

  この本を読むと、鎌倉の寺にはいる前の所蔵者が文藝春秋社社長でしょ。「情報公開をもとめ」たり「収集家の隠蔽を非難」するはずのマスコミでしょ。自分が秘蔵しててどうするんだ。 そりゃ、極一部の専門家しか関心のないようなアイテムならともかく、会津八一が讃仰し、盗難事件で有名になった香薬師でしょ。 またもマスコミの現行不一致を思い知らされた感があります。これが、普通の食品会社の社長とかだったら、こんな感想はでないでしょう。それだったら、まあ個人の勝手とか資産を知られたくないとか親族が強欲で悪辣だとか税務署に知られたくないとかあるだろうしなあ、と情状酌量の余地はあるでしょう。しかし、マスコミ人には無理です。

  また明治二九年の盗難のとき、住職が100円の懸賞金をかけたというのには驚きです。当時の100円は現在の300万円ぐらいでしょう(ref  値段の日本史  小学校教員の初任給に基づく概算)から。東大寺の僧侶が新薬師寺の住職を兼任していたので東大寺の財力じゃないかとおもいます。


posted by 山科玲児 at 19:55| Comment(0) | 2016年日記
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