今回の大阪市立東洋陶磁美術館
特別展「台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆」
平成28年12月10日(土)〜3月26日(日)
http://www.moco.or.jp/exhibition/current/?e=366
では、当然ながら、安宅コレクションの汝窯青磁水仙盆(イメージ、当方撮影 )が展覧されています。この水仙盆は、長い間日本で手軽に観ることが出来る唯一の汝窯青磁でした。これ以外に2点あったようですが秘蔵されていて観ることは困難でした。そのうち1点は海外流出? 川端康成旧蔵の1点は最近 東京国立博物館に入って、少しアクセスしやすくなりました。他の汝窯青磁を観ようと思ったら、台北國立故宮博物院にいくかロンドンのデヴィッドにいくかするしかなかったというのが現実でしょう。
この汝窯青磁水仙盆は、昭和44年に安宅英一氏がスパークスから入手したそうです(REF, 安宅英一の眼、大阪市立東洋陶磁美術館)。このスパークスというのはなんだろうと思ってネットで調べてみたら、スミソニアンに文書がありました。
John Sparks Chinese Works of Arts 1890-1992
https://www.asia.si.edu/collections/downloads/Sparks-John.pdf
John Sparks Chinese Works of Arts 1890-1992
https://www.asia.si.edu/collections/downloads/Sparks-John.pdf
たぶん、この古美術商だと思います。Bluet and Sonsや Spinkのような有名店ではないんですが、よくこういうものを扱えたものだと思いました。
海外流出した1点のオークションは2012年に行われ、汝窯青磁の値段の概略を知ることができます。
これは、アルフレッド=クラーク夫人旧蔵で日本に渡ったのですが、サザビーズ香港で2012年にオークションされました。
207,860,000 HKD でした。
30億円弱というところでしょうか? 陶磁器としては記録的な値段だと思います。
アルフレッド=クラーク夫妻は、中国陶磁の収集で有名なかたで、似たような汝窯青磁を2点ももっていたようです。1点は大英博物館に寄贈したものです。
もう1点がこれなんですね。北京−>英国−>日本−>香港というルートでしょうか??
やはり六田氏の撮影で、なかなか素晴らしかったです。
論文もしっかりめで、猧食盆の乾隆帝の詩の全文が載っていたのはありがたかったです。