2017年01月22日

中国人研究者の講演

十七帖 來禽館1.JPG


 2016年9月17日18日に徳川ミュージアムで
 日本現存王羲之『十七帖』諸本の考察/計文淵【第8回 徳川国際シンポジウム】
という講演があったらしく、その動画がYOUTUBEにあがっていた。
 https://www.youtube.com/watch?v=XMba1AAgxo0

関心のあるタイトルなので視聴した。
50分ぐらいあるんだが、もうなんというか苛立つというか退屈というか、我慢できなくなった。
ただ、通訳の質にも問題があるのだろう。話していることを全部翻訳せず要所だけ言っているようにみえる。従って講師の計文淵先生だけを、どうこういうわけにはいかない。

 ただ、プレゼンで使われた映像からしても、全くの初心者門外漢ならともかく、少しでも中国書道史に心得のある人なら我慢できなかったのではなかろうか。最初の25分ぐらいは全く不要だった。残りも少し学んだ人にとっては自明なことだった。最近の発見や新資料もない。 徳川ミュージアム所蔵の十七帖拓本数種は、あまり良いものではなかったようなのでそれをあげられてもがっかりするしかない。ひょっとしたら通訳されていない部分に優れた見解や発見があるのかもしれないが、埋もれてしまっていたとしたら、とても残念なことだと思う。

  どうも計文淵先生は、朱舜水や黄檗僧の書の研究がある人のようで、そういう分野に得意な方だったようだ。日本現存王羲之『十七帖』諸本の考察  というテーマは、あまり向きではなかったのではなかろうか。
 以前、東京で、中国人だからといって無闇にありがたがって書画の鑑定をもとめたりする人々をみかけたことがあった。日本人だからといって光琳の鑑定ができる人はほとんどいないわけだから、中国人だからといって書画や陶磁器に詳しいはずはないだろう。そういう常識が通用しない盲目的信仰をもつ人々を屡々みて残念に思ったことがある。そりゃ、中国人独特の感覚やコネ、中国的常識、というようなものはあるだろうから一概にダメとはいえないところもあるだろうけれど、「中国人だから」といって期待するのは無茶であろう。日本人をランダムにみつけて「柔道を教えてもらおう」と考える外人のようなもので、あまり良いことではない。

 従来、聴いた大陸の研究者の講演・プレゼンには不満があることが多かったのは、そういう無理強いや、研究者側があまりに聴衆を低くみて初歩的なつまらないことを語ることが多かったことが原因であろう。
 イメージは貧架の來禽館本  十七帖新拓 冒頭を撮った。


posted by 山科玲児 at 15:40| Comment(0) | 2017年日記
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