チキンカップのWikimediaの写真がありましたので、少し加工して呈示。デヴィッド=ファウンデーションのものです。現在は大英博物館の中の特設ルームに展示されているはず。画像ないとなにがなんだかわからないですからね。
昨日述べた Dr. John Rudolph Stephen ZuelligことMeyintang Collectionのチキンカップの伝世経路をみると、
1957年ごろにドレフィス夫人Mrs. Leopold Dreyfus, 2個もっていてそのうちの1個だったらしい。
⇒ 有名古美術商エドワード チュー(Edward T. Chow) (という伝聞がある)
⇒日本の古美術商 坂本五郎氏
⇒1994年香港サザビーズでオークションに出る。エスケナージを代理人として このDr. John Rudolph Stephen Zuelligが落札/入手。4億円ぐらいだったらしい( HK$ 29,170,000)
⇒2014年香港サザビーズでオークション 281,240,000香港ドルで上海の実業家 龍美術館の主催者が落札、約37億円ぐらい。
という経路のようだ、、
高齢になって楽しめなくなったのか、ヨーロッパの金融危機のあおりをうけたのか、コレクションの多くの中国陶磁器は売却されたようである。弟Gilbertのコレクションはスイス チューリッヒのリードベリ美術館に貸し出されていたそうであるが売却したのかは知らない。
まあ、サザビーズ サイトの写真をみる限りではまあ良いんじゃないの、という感じのもので、Edward T. Chowの眼を通っているかどうか怪しいところがちょっと難点だが、まあいいんじゃないの、いくらなんでも37億円でよくないということはないだろう。。
と思ったものである。
しかし、あくの強いいわくつきの古美術商 坂本五郎氏のものだったんですか、、そうですか。坂本五郎氏については
チキンカップを含めた明時代、成化官窯の陶磁器について、14年前:2003/10/18 の私のメモで、ある一流の骨董商から聞いた話があったので再録します。
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成化はやはり、日本にも10点前後、チキンカップは、某氏秘蔵のものが1点のみ(1994年秋の東京国立博物館「中国の陶磁」展覧のものは疑問、それ以外の1点) ということを、あるエキスパートから聞いた。チキンカップは康煕の写しでも2千万円以上するらしい。 日本最初の成化陶磁器は、青花の丈の低い壷で、戦後の混乱時期に名古屋の 小さな骨董屋のガラス棚の上にあったのを、偶然発見して、半信半疑で、東京にもちこんだのが最初だという。
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この、日本個人蔵のチキンカップというのがこのDr. John Rudolph Stephen Zuellig(Meyintang)所蔵のものだったんだろうなあ。業界のつきあいもあっただろうし、坂本五郎氏から自慢されたこともあるんだろう。
ところで、Edward T. Chow カタログ(下イメージ)を読むと、
日経新聞社が1973年に三越で開催した「美の美 中国3000年」に、Edward T. Chowのチキンカップは展示されていたんだそうです。いやあ、当時は日経新聞はまともだったんだねえ。最近の惨状とは別世界のようです。
曜変天目について、こんなひどい記事を書く現在の日経とは別の新聞のようですねえ。
日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20HAU_Q6A221C1000000/