2017年03月15日

呉彬 怪石図巻の複製

Wu Bin Sotherbys.jpg




 呉彬は福建省出身で明時代の萬暦時代に活動した画家ですが、彼の大きな巻物が27年前、1989年12月にニューヨークのサザビーズ  オークションに出現しました(イメージ)。記録としては1970年ごろのケーヒルの論文にも出ていたのですが、写真図版が出たのは、このオークションが最初でしょう。高さ55cm 長さ9.5mという長大な巻物で、呉彬の絵が10点、呉彬のパトロンだった明末の有名人&書家:米萬鐘の長文の題が多数ついています。
1989年で121万ドル 約一億6000万円?ぐらいの落札価だったので、高価な中国画として当時 一部で知られていました。

呉彬の変わった絵画は、台北國立故宮博物院での特別展があり、当方も観に行きました。

この巻物は怪石図巻というべきものですが、 「厳壑奇姿(ゲンガクキシ)」という名前がついてます。
当時カタログを観たときは怪石ファンの米萬鐘が収集した10個の怪石を描いたものと思っていましたが、実は1個の怪石を10の方向から描いたものなんですね。これは一つの怪石の十の肖像画です。すごくディープなものですね。

  この巻物は美術館ではなく個人コレクターか法人のものになっていた・なっているようです。そのためかその後あまり公開されていなかったのですが、最近 豪華複製本(限定三〇〇部)が出たようです。
香港の英文 古美術雑誌 Orientationsの最新号(vol.48 No.2 March/April 2017)の広告で知りました。
ただ、1,500ドル、16万円という価格ですから、おいそれとは手をだせないものですね。ただ、日本なら16万円なら巻物/巻子本の形で複製するのではないか?と思いました。これは一応大きな本の形になっていますね。
動画もあって、これが面白いので推薦しておきます。 
https://player.vimeo.com/video/207078844

 普及版の研究書も出版されているようですが、呉彬ファンの私もここまでは買わないかもしれないなあ。この絵自体は問題のない真蹟だと思いますし、なかなかな傑作だと思いますが蒐集家主導の本みたいなので、あまり批判的な厳しいみかたは書いてないかもしれないと危惧しているのです。
 方聞教授の本はたいていそれで、ほめるのはいいとしても深い考察がなくて、美しいカラー図版を観るだけの本が多かった。この本には方聞はかかわっていないようですが、なんとなく危惧しています。



REF.
sotherbys fine  chinese paintings  new york
dec.6th  1989
posted by 山科玲児 at 08:03| Comment(0) | 日記
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