2017年04月30日

双拘 小白雲堂はもともと存在しない

白雲堂.JPG白雲堂 小.JPG


 山東省の大基山には、北魏の鄭道昭(ACE455-516)の磨崖刻石があるが、鄭道昭の書なのかはよくわからない古い刻字もある。
  そのなかで、双拘 白雲堂という大きな刻字もある(左)。 とても大きな字である。籠字に文字を彫ったもので、上の拓本の上部に30cmものさしをおいてあるから比較して欲しい。もとは一行に彫ってあるが拓本を切り取って貼ってあるので二行になっている。


実はこれよりかなり小さな刻字の拓本があって「双拘 小白雲堂」とか「双拘 白雲堂 (小)」とか呼ばれているものがある(右イメージ)。全体で34x17cmぐらいらしい。どうもこれは19世紀末にライ州南関の劉洪儒という人がもとの大きな字をレンガの上に縮小して刻して拓本を採って売ったものらしい。「拓本は日本人が多くもっている」と下の文献139Pに書いてある。

  この山に旅行した書家や書道愛好家が、「『双拘 小白雲堂』の刻字はどこにあるのか」とガイドに尋ねて要領をえなかったという記録を、、2つ以上読んだものだが、
もともとなかったのだ。ないものはみせようがない。ライ州にある偽物ですよ、、とは言えないわな。。。

REF:山東石刻芸術博物館・中国書法家協会山東分室, 雲峯刻石調査与研究,斉魯書社,済南,1992


posted by 山科玲児 at 09:14| Comment(0) | 2017年日記
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