2017年05月21日

シカゴで蘭亭序の古拓 発見


  シカゴのフィールズ自然史博物館は恐竜の化石などで有名なところです。一応、中国の拓本も収蔵していたことは知っておりましたが、いずれも清代末期以降の新しいものばかりで、資料としては重要ですが、古い貴重本とはいえないものばかりだと思っておりました。

  最近、目録作りをやったためか、
  南宋  游相本の蘭亭序  が1冊みつかったようで、2015年秋に北京の国家図書館出版社から
  影印本がでたようです。

  確かに古い良質の拓本で、何子貞の跋がみえますね。
  游相本の蘭亭序百種のうちの第52だそうです。
  定武蘭亭  五字未損本の重刻の一つのようです。

にも入っておりますが、書跡名品叢刊22というのは間違いもいいとこ、収録されておりません。


これについては、北京 故宮博物院の 王蓮起氏 が長い解説をしています。
中文  解説
http://www.booyee.com.cn/BBS/thread.jsp?threadid=1249102&forumid=95&get=1

  もと陳介キの旧蔵で、台湾大学の李教授が米国にもたらしたもののようです。
  ただ、游相本の全貌に迫りたいという人はともかくとして、蘭亭序 研究にもの凄く重要か、豪華複製を出す価値があるか?というといまひとつの気がしますね。香港中文大学の游相本のほうが重要な気がします。幻の落水本とよばれるものは台湾にあるそうですが、名前負けしたものならともかく、本物ならばそれこそ豪華複製に値するのではないでしょうか。


posted by 山科玲児 at 09:28| Comment(0) | 2017年日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]