シカゴのフィールズ自然史博物館は恐竜の化石などで有名なところです。一応、中国の拓本も収蔵していたことは知っておりましたが、いずれも清代末期以降の新しいものばかりで、資料としては重要ですが、古い貴重本とはいえないものばかりだと思っておりました。
最近、目録作りをやったためか、
南宋 游相本の蘭亭序 が1冊みつかったようで、2015年秋に北京の国家図書館出版社から
影印本がでたようです。
南宋 游相本の蘭亭序 が1冊みつかったようで、2015年秋に北京の国家図書館出版社から
影印本がでたようです。
確かに古い良質の拓本で、何子貞の跋がみえますね。
游相本の蘭亭序百種のうちの第52だそうです。
定武蘭亭 五字未損本の重刻の一つのようです。
定武蘭亭 五字未損本の重刻の一つのようです。
Fields Museum の全中国拓本目録
https://archive.org/stream/catalogueofchine03walr/catalogueofchine03walr_djvu.txt
にも入っておりますが、書跡名品叢刊22というのは間違いもいいとこ、収録されておりません。
これについては、北京 故宮博物院の 王蓮起氏 が長い解説をしています。
中文 解説
http://www.booyee.com.cn/BBS/thread.jsp?threadid=1249102&forumid=95&get=1
中文 解説
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もと陳介キの旧蔵で、台湾大学の李教授が米国にもたらしたもののようです。
ただ、游相本の全貌に迫りたいという人はともかくとして、蘭亭序 研究にもの凄く重要か、豪華複製を出す価値があるか?というといまひとつの気がしますね。香港中文大学の游相本のほうが重要な気がします。幻の落水本とよばれるものは台湾にあるそうですが、名前負けしたものならともかく、本物ならばそれこそ豪華複製に値するのではないでしょうか。