ですが、マスコットの魚のモンスターのほうが、目立っているような気もします。
このイメージはブラッセル図書館の版画なので、今回のボイマンスのものとは微細なとこで違うかもしれませんね。
もっと安価なマスコットも売店で売られているかもしれないなあ。
もともとこれは、銅版画の
ピーテル・ブリューゲル1世(下絵) / ピーテル・ファン・デル・ヘイデン(版刻)
「大きな魚は小さな魚を食う」 1557年
「大きな魚は小さな魚を食う」 1557年
なので、色なんかないから、適当でいいんじゃね、
なんですけどね。
ただ、この銅版画にブリューゲルのサインがなく、「ヒエロニムス=ボスの創案による」というサイン(イメージ)が入っているので、昔から議論がありました。 これは、素直に文字通り受け取ったほうがいいと思います。 ボスといわれる絵かデッサンかグリザイユをブリューゲルが緻密に描きなおした素描を使ったというだけなんじゃないのかな。ブリューゲルのサインのある素描がウイーンのアルベルティーナに残っているからといって、徒にブリューゲルの作品であることを煽ることもないと思います。ボスの方が売れるからブリューゲルに黙って・黙認させて出版したというのは間違いでしょう。
なんというかなあ、ブリューゲルを偉大にみせたい褒めたいために、ひいきの引き倒しをやっているんじゃないの。実はこの推定はブラッセル王立図書館の碩學;ルイ ルベールがカタログレゾネに書いている推定です。私の妄想じゃありません。
また、当時のフィリペ2世とアンリ2世のことを風刺している、風刺が弾圧されかねないので名前をいれなかったという説も、馬鹿馬鹿しい話で、もしボス(ACE1516没)の周囲で考案された図像ならフィリペ2世が生まれる(ACE1526)前にできたということになる。
どうせ、訳知り顔の評論家が上の述べたような作り話をするでしょうから、警告しておきます。
ただ、ボス本人の作品 真蹟、本物をもとにしたかというと、かなり疑問があります。 当時、いかがわしいボス作品贋作やコピーがあふれていたから(REF. ゲバラの「絵画へのコメント集」 1560ごろ)、出版者 ヒエロニムス=コックがとりあげたのは、そういうものだったかもしれません。ろくでもないものを元にしてブリューゲルが優れた作品へ仕上げたということもあったでしょう。
実際、出版者 ヒエロニムス=コックはブリューゲル以外の画家にもボス・傳ボス作品の版画化を依頼して出版していました。これらにも同様に「ヒエロニムス=ボスの創案による」というサインが入っています。
例;;
戦象
ボスに倣って コックが彫版販売した Boymans
http://collectie.boijmans.nl/en/object/27516/The-Besieged-Elephant/Joannes-van-Doetecum-%28I%29
ボスに倣って コックが彫版販売した Boymans
http://collectie.boijmans.nl/en/object/27516/The-Besieged-Elephant/Joannes-van-Doetecum-%28I%29