2017年06月28日

アルチンボルド展 その2

ARCIMBOLDO 2017 ss.jpg

アルチンボルド展

アルチンボルド展に出た作品の、アルチンボルド、 (伝)アルチンボルド作品のランク分けをやってみましょう。
トップクラスは、やはりウイーンKunsthistoricheの水と冬、リヒテンシュタインの大地、マドリードの春、そしてクレモナの庭師、素描では「紙の自画像」でしょうね。これらは「文句なし!」です。
 面白いのは、基底材が結構ちがうんですね。Kunsthistoricheの水はハンノキalder wood と冬はリンデン(セイヨウシナノキ)、マドリードはオーク材(バルト産?)
  そして、これらは、ルーブルの同図様のものより良いように思います。
  紙の自画像T.02は、紙束を集めて自画像にしたもので、なかなか面白いものです。背景に紙のすきめのような横線があるが、この横線はまわりの枠部分にはない。紙そのものにあったものではなく、意図的に描いたものだろう。これは巧妙なだまし絵です。

その次が、修理が多いために、遜色があるんだろうなあ、、とおもわれるもので、、
 デンバーの夏U.14はかなり補修がひどいようですが、デンバーの秋U.15、は保存がかなり良い。
 ワシントンナショナルギャラリーの四季T.12  は、かなり破損していたのではないでしょうかね。上部の果物はかなり上手いと思うが、下部の麦は全く平板。過剰な修理のために全体に平板な感じになっているんじゃないかと思います。ポプラ材を基底材に使っているということはイタリアでの制作なんですね。

 同様に過剰な修理を感じるのが大阪のソムリエY.08です。特に紙のところ、文字などは真新しい。一方全体の構成や器物についてはオリジナルを残しているようですね。

  アルチンボルドにはスウェーデンに伝わった作品が多数あるのは知っていました。30年戦争で1648年のプラハ包囲のときの略奪品じゃないかと思っていました。 今回みると ウイーンのものとは少し違う系統のようです。
 司書Y.09はキャンバス地であり、アイデアの表出が主で細部の迫真には尽力していないようです。本の質感もあまり考慮されていない。なんとなく量産品っぽい。法律家Y.10は、部分的には精妙だが全体としては大味である。これもキャンバス地、あるいはアルチンボルド工房で多数制作したものか?
  ストックホルムの コック肉Z.04については、銀の蓋をもつ両手だけが異常にリアルで銀器に影まで写っている。肉そのものはわりとあっさりした仕上げで質感に乏しい。

   個人蔵の「大気」No.17 「火」No.18は平板な模写・模倣策であるが、カタログでは結構よくみえるのが不思議である。貸していただいた方へのソンタクであろうか

   ブリュッセルの水V.01、ヒューストンの冬Z.01は、とるにたりない拙い模写なのに、カタログのカラー図版でみると結構よいように見えるのが不思議である。


posted by 山科玲児 at 10:38| Comment(0) | 2017年日記
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