ボイマンス展は大阪 中之島で 開催されるようです。東京よりは空いてるかなあ。
2017年7月18日(火)〜10月15日(日)大阪 国立国際美術館
前、書いたように6月23日に都美術館で鑑賞したときには版画を観るのに力尽きてしまいました。
>ブリューゲルの版画も、よい刷りのものが並んでいたが、ひとつひとつ観ていくと疲れはててしまうので途中でドロップアウトした。
ただ、今回のボイマンスの展示は過去三回のブリューゲル版画展とは、大きく違うところがあります。
1972年: 神奈川近代美術館でのブリューゲル版画展(イメージ)
1989年; ブリヂストン美術館など ピーテル・ブリューゲル全版画展
2010年: Bunkamuraザ・ミュージアム 「ブリューゲル版画の世界展」
のいずれも全てが ブリュッセルのベルギー王室図書館コレクションなんです。
つまり、三回とも皆、同じ版画です。版画は絵とは違って同じものが複数ありますし、同じ版画でも初刷り、後刷り、改変、改版などがあるのは。浮世絵と同じです。北斎の「赤富士」も2種類はあるのはご存じでしょう。春信の座敷八景でも二種以上あります。
勿論、ベルギー王室図書館コレクションは優れたものですし、ブリューゲル版画のカタログレゾネの基礎になるほど網羅的でもあるのですが、それでも三回とも同じもの、、というのは何か芸がないような気もします。
このロッテルダム ボイマンス美術館は、ベルリンKuiperKabinettやウイーン=アルベルティーナの版画素描コレクションとともに優れた版画コレクションをもっています。 ここのブリューゲル版画は刷り・質ともに優秀です。ブリュッセルのものとは違ったブリューゲル版画をある程度まとめてみる絶好の機会でしたが、力尽きてしまいました。
今回、展示されたのは22点ですが、ブリューゲルが下絵を描いて出版した版画76点のうち22点ですから結構多いんですよ。ただ、ブリューゲルの油絵なんかを版画にしたものもあるのでそういうものをあわせるとカタログレゾネには95点が入っています。それでも全体の1/5以上です。 有名な版画の多くが展示されているといっていいでしょう。
体力のある西日本の方々は、「ああまた、ブリューゲル版画か」と思わずにがんばって鑑賞されることをお勧めします。