神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展
を福岡市博物館で観てきました。
前書いたようにチラシが二種色違いでありました(イメージ)が、今回は、なんと図録が表紙だけ違って二種でてました(中身は同じだそうです。値段も同じ。)。いったいどういうことか?企画段階でかなり混乱不統一があったのでしょうか。
スケジュールがやや悪く、博多で観た展覧会はこれだけで、
他は、ランチをうどんとイサーン風タイ料理を梯子して食べ過ぎになったりして時間を過ごしました。
超一流の作品展示はないが、いろいろ考えさせられた展覧会でした。
看板の作品のアルチンボルド
ウェルトゥムヌスに扮するルドルフ2世』(1590-91)、Skokloster Castle、スウェーデン
も、どうもニスの黄変があるのか いまひとつ生彩がない。おそらくクリーニングすればかなりよくみえるようになると思います。光沢という点ではフランス個人蔵のアルチンボルドの追随者の作品 《秋》 油彩/カンヴァスのほうが良くみえました。 まあ、東京のアルチンボルド展でみたデンヴァー美術館蔵 1572年(キャンバス 油彩)のほうが、これよりは良かったのは確かですが、そう悪くはない。
東京でのアルチンボルド展でも感じたのですが、スウェーデンに伝わった分は、1級品とはいえないのではないかという疑惑があります。
資料的に驚いたのは、ルドルフ2世のコレクション目録写本の実物が展示されてました。なんと8年ほど前にリヒテンシュタイン公の図書室から発見されたということです。ただし、絵画があまり記載されていないので全ての目録ではないようです。もう一册あったのかな。それでも2800点以上記載され、リストのなかには略画 挿絵もはいっています。
なんでリヒテンシュタインかというと、どうも初代リヒテンシュタイン公カール1世は ルドルフ2世の右腕であり美術品収集管理をやっていたということです。
それなら、リヒテンシュタインにあれだけ多くの優秀なコレクションがあり、そのなかにアルチンボルドの優秀な作品(大地)があるのが納得がいきました。
それなら、リヒテンシュタインにあれだけ多くの優秀なコレクションがあり、そのなかにアルチンボルドの優秀な作品(大地)があるのが納得がいきました。
不思議の国リヒテンシュタイン・前編
http://www.onyx.dti.ne.jp/sissi/episode-83.htm
どうも、チェルニン家のようにオーストリアの貴族で、リヒテンシュタイン大公はウイーンに住み、オーストリア内にリヒテンシュタイン本国より広い土地をもっているという複雑な事情があるようですね。
なお、今回エステルハーティ宮殿にあるアルチンボルド派の四季のうち3点が展示されてました。なかなか独自性があり面白いと思います。東京のアルチンボルド展でみた流派作より面白いかもしれないなあ。腕がアスパラガスだったり長いニンジンだったりするし。名画というよりよくできている、、という感じです。
またアルチンボルド メーカーが会場内に設置されてました。私は、あの暗い青い色調が嫌いで、とてもその前に座る気にはなりませんでした。結構あいていたんですけどね。東京で長い列ができていたのはどうも不思議でしたが、まあ好きずきですからね。とにかく福岡では空いております。
また、チラシで観た他の作品はいずれも想像していたより遙かに小さいものでした。
フナーヘルの寓意画は羊皮紙に水彩 金彩というものでしたがノート大の大きさです。
ヤン=ブリューゲルの花瓶にさした花束は、ダニエル=セーヘルスの花々ほど感動させるものではありませんでした。
工芸品で面白かったのは、貴石でつくった盃がそれを収納する皮の筺ケースと一緒に展示されていたことです。なんかカメラの皮ケースみたいなんですが、十六、17世紀のこういうケースを観るのは初めてでした。
また、本が多数展示
されていたんですが、そのなかに錬金術本の「活字本」「印刷本」が2点ありました。
なんかおかしいでしょ。印刷というのは多数の部数を発行して流布するものなのに。
錬金術というのは秘術で秘密が多いものだから、口伝
や秘密写本で伝えるものじゃなかったのか、、印刷??
また、今回、会場随所で公開されているビデオ プレゼンは皆面白く、興味深いものでした。プラハのオルガさんは、ひょっとしたらメール対応してくださった人かもしれません。
私もたのしみにしているのですが あまり過大に期待しないほうが良いのかな。参考になることがありましたら お教えください。
低眉生
コメントありがとうございました。
1日かけて長崎ー福岡往復したんですが、損したという感じはなかったと思います。
長崎ー大阪、長崎^東京往復だったら後悔したかもしれませんね。
思ったより小さな作品が多いのと、最初に版画が並ぶので地味な印象を受けることが難点ですかね。
色々考えさせられるところが多い展覧会でした。お近くの開催でしたら、行って損はないと思います。