2017年12月28日

風景画と自然

三巻 風景画.JPG


  ARTGALLERY アートギャラリー テーマで見る世界の名画 3巻 風景画
https://www.shueisha.co.jp/artgallery/vol03.html
の解説には、画家の自然観を描くのが風景画というような解説があるが、まことに奇妙なことだと思う。
>79p「自然景観をなによりも優位に置き、それで自立した絵として成立している、あるいは、自然に対する画家の思想や共感が込められて、描かれた自然がそれを伝えてくれる。そのたぐいの絵を本巻では風景画と呼ぶことにする」
>

たとえば これに収録掲載されている
シャガールの「窓から見たパリ」グッゲンハイム美術館
https://www.guggenheim.org/artwork/793
に、どんな自然があるというのだろうか。
   つまり自然ではなく人工物だらけの風景画がありえるとしたら、画家の自然観を表したものというのは、風景画の極一部でしかないということがわかるだろう。

 昨日あげたカナレットの
「サン・ロッコ聖堂とサン・ロッコ同信会館を訪れるヴェネツィア ドーチェ (Corteo dogale alla chiesa di San Rocco)」1735年頃  ロンドン・ナショナル・ギャラリー」
https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/canaletto-venice-the-feast-day-of-saint-roch
などでは、自然にあたるのは、空と光だけである。フェルメールの「デルフト眺望」でも自然というべきは空だけであろう。河は運河または護岸した河であるから大きく人工の要素が入っている。

 おそらく、著者は
フィンセント ファン ゴッホの「星月夜」MOMA、ニューヨーク
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Van_Gogh_-_Starry_Night_-_Google_Art_Project.jpg
やセザンヌのサンヴィクトワール山

などだけを風景画だとしたいのであろう。
著者がフランス近現代画の専門家であるという背景からくるものであろうか
  逆の方向では、劇場舞台のかきわり画や建築の内部を描いた絵は、室内画や風俗画と風景画の微妙な境界線にあるように思う。
  
 では、なにをもって風景画とすべきか?と考えてみると「環境」が主題になった絵ではないだろうか?
 「物体」が主題になれば静物画、人物が主題になれば「肖像画」「人物画」 物語・神話伝説歴史が主題になれば「物語画」「神話画」「歴史画」なのだから。


posted by 山科玲児 at 09:27| Comment(0) | 2017年日記
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