2018年01月02日

ゲティ美術館が買った ヴァトー



2017年7月20日だから、旧聞であるが、、
ミケランジェロやパルミジャニーノ、ヴァトーらの傑作、ゲティ美術館が入手| MUSEY MAG[ミュージーマグ]
https://www.musey.net/mag/289
  というニュースがあった。そのなかでは、
ヴァトーの「驚き」が、ほぼ150年行方不明だったものだということで、めでたい気がする。

ただ、この記事には誤りがある。

誤>行方不明とされていた間は、英国バッキンガム宮殿の王立コレクションにあったコピーでしか知られておらず、しかも白黒の版画であった。

正>行方不明とされていた間は、英国バッキンガム宮殿の王立コレクションにあったコピーと、白黒の版画でしか知られていなかったが、別の絵の存在だけは知られていた。

根拠は、下記のゲティ美術館のプレスリリース  並びに、Rosenberg, Pierre & Ettore Camesasca, Tout l'oeuvre Peint de Watteau,  Flammarion, Paris (1970)
を参照しました。

「白黒の版画」はこれのようである。Biblioteque Nationale所蔵
http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b8431215b

 まあ、別ヴァージョンの絵があると知っていても写真もなく実物をみてもいなければ、劣悪なコピーなのかもしれないし、主題だけが同じ全く別の絵なのかもしれないわけで、それが本物あるいは最良ヴァージョンだとは、到底言えない。まあ、その時点その段階では、行方不明としか言いようがない。
  小さな絵ではあるが、ヴァトーの絵は、思ったより小さい絵が多い。ルーブルで複数のヴァトー作品を観たとき、え!こんなに小さいの、、と思ったものである。フラゴナールやルーベンスの絵のような大きなものは、あまりないようである。どうもベルリン シャルロッテンブルグ宮にある「ジュルサンの看板」が一番大きいようだ。
  この「驚き」、2008年に、クリスティーズでオークションされたときは、12,361,000ポンド::二十五億円ぐらい(為替相場によって違う)。そのときのクリティーズのスポークスマンは、
“It was found during a routine valuation in the corner of a small sitting room in an English country house. It is slightly larger than a sheet of A4 paper,” (英国のカントリーハウスでの、ルーチン業務として、美術品の価格評価をしていたとき、発見されました。A4より少し大きいだけの絵でした。(拙訳))
  こういう「掘り出し」てたまにはあるもんなんだなあ、、それこそ驚きです。普通は、信じられない。 なにかの引っかけ、騙すための「埋け込み」じゃないかと疑うよね。
そして、

2014年12月17日
ワトーの模写って多いんだね
http://reijiyamashina.sblo.jp/article/106880574.html

で、指摘したようにコピーが多い人気作家だったようだから、今回の「驚き」もコピーの一つではないか?という疑念はある。また、残っている作品も多いし、もっと優れた/大きな作品もあるので、そう騒ぐほどの作品かな?とも思っている。ちなみに、私は英国のダリッチの「舞踏会の楽しみ」が好きです。
Dulwich  Les Plaisir  du Bal

 英国の個人コレクションから買ったと、この記事などで書いているけれど、これはコレクターというよりディラー・あるいは投資会社じゃないかと思う。2008年に落札したものを2017年に譲渡しているわけですし。。

カリフォルニアのゲティ美術館のプレスリリース
GETTY MUSEUM ANNOUNCES LANDMARK ACQUISITION
http://news.getty.edu/content/1208/images/Press%20Release%20-%20July%20Acquisition%20(drawings%20%20painting)%20FINAL.pdf
posted by 山科玲児 at 09:37| Comment(0) | 2018年日記
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