これは、読む、というよりカラー写真の利用です。作品解説にはこのことは書いてありませんでした。
で言及したヴァレンシア美術館にあるボス派の絵は非常に保存が良く来歴も確かなものですが、ボス逝去後の模倣的な作品で、ボスの作品ではありません。
この絵の中央画面右下の男の袖に S.P.Q.R. と書いてあって(イメージ)、どうも気になっていたんですが、ローマ市民という意味のようです。
SPQRとは、ラテン語で「Senatus Populusque Romanus」(セナートゥス・ポプルスクェ・ローマーヌス)の略語である。
その意味は「元老院とローマの人民(市民)」、
https://ja.wikipedia.org/wiki/SPQR
なんだそうです。
この文字は、細いので古い粗い写真ではわからないので、最近の悪戯か写真製版のときのミスかとも思ったのですが、少なくとも2001年ロッテルダム ボイマンスでの展示カタログにはあるようです。
プラドのボス展では実物をみたはずなんですが、あまり好きな作品でもないので、そのときはそれほど精細に観なかったので記憶に留めてはおりません。
この作品、周囲のグリザイユの天使と悪魔の戦いが佳作ですので、プラドでは、そういうところだけ観たような気がします。幅4m、高さ1.7m近くという結構サイズが大きな作品なので、そういうとこだけみても結構見応えがあります。ちなみにロッテルダム展では、ろくに観もしませんでした。
SPQRは、ローマ市民というより、ローマ共和国・帝国の「国号」のようなものじゃないでしょうか?
本年が貴殿にとってよい年でありますように。
>SPQRは、ローマ市民というより、ローマ共和国・帝国の「国号」のようなものじゃないでしょうか?.
どうなんですかねえ?用例を多くは調べていないものですから。
ヴァレンシア美術館の解説をはじめ、ボスの研究書にも、このことについて言及したものを
みつけておりません。読めないスペイン語やドイツ語の本も多いのでなんともいえませんが。
ただ、絵画を仕上げた時点ではなく、もっとあとで誰かが悪戯でいれた可能性もありますね。