一昨年、2016年02月19日
ゲントのボッス「十字架を運ぶキリスト」否定説
を書きました。
BRCPがゲントのボッス「十字架を運ぶキリスト」(イメージは左下部分)が真蹟ではないと判断しました。 ゲント美術館が反発し、すぐ近くの北ブラバント美術館で開催された特別展に出品しませんでした。
オランダの ス ヘルトヘンボスの北ブラバント美術館
2016年 13 February - 8 May
実は、このときの展示目録がよくわからないんですよね。リストがどこかにないものですかね。
BRCPの方の主張は、日本でも流布している人もいるようですが、根拠がはっきりしませんでした。 一方、ゲント美術館側の主張もネットで公開されておりました。
これはBRCPの筆頭学者:Kordeweijを呼んで、他の学者や修理担当などとシンポジウムしたときの要約です。
これでみると、BRCPでは絵の下の素描が快楽の園なんかとは様式が違うということが一番の疑義みたいです。
ゲントの絵の下書きを赤外線でみたものは、、
BRCP Infrared refrectgraphy Photo
どっちかというとメムリンクの下書きに近いですね。 この下書き問題については、
2016年07月25日
快楽の園の下書き
で比較紹介しました。
しかし、BRCPで真蹟にしてる
守銭奴の死
なんか、快楽の園の下書きの様式と全然違いますし、むしろBRCPが偽/コピー/模倣作とする「七つの大罪」と似てますね。
また、
ゲントの「十字架を運ぶキリスト」と
「聖ヒエロニムス(ゲント)」
とは下書きの様式がやや近いですね。
どうも下書きの様式で、ボスの真蹟と確定するなら、BRCPよりもずっと少ない作品しか認定できないようです。なんか三種類ぐらいに分かれているようです。じゃボスって三人いるのかなあ。
この件は、まだまだ二転三転しそうです。