2018年01月14日

私的宗教画リスト 下

Latour Nativity Renne.jpg 



フーケ 天使にかこまれる聖母子  アントワープ王立美術館


  ううん、これはちょっと宗教画としてはあまりにも「とんで」いますが、どこに置きようもないけれど、落とすには惜しいので採用。



ヘールトヘン・トット・シント・ヤンス 聖誕

神秘の夜のクリスマス

ヒエロニムス・ボス  十字架を運ぶキリスト  ゲント美術館


 画家の帰属について最近異論がでているようだが、仮に追従者作品になったとしても、傑作には違いない。というより16世紀の「十字架を運ぶキリスト」の絵でこれより優れたものがあるだろうか? どの画家にアトリビュートしても代表作になるだろう。


ヒエロニムス・ボス  聖アントニウスの誘惑  プラド美術館


リスボンの聖アントニウスの誘惑は傑作だが、宗教画というより象徴・寓意画のようにみえるので、こちらを選ぶ。



ヘラルト・ダヴィッド ミルク粥の聖母子、ブリュッセルの王立美術館


  これだけ親しみやすい聖母子像があるでしょうか、、


ミヘール・コクシーMichiel Coxie (1499 - 1592)  聖家族 クロレミュンスター修道院、オーストリア

修復動画https://www.youtube.com/watch?v=vpWTJLj0zho


驚くほど優雅な作品です。パルミジャニーノ以上かもしれないなあ。

クロレミュンスター修道院ってのは、オーストリアハプスブルク家の人々の隠退所みたいな機能ももってました。



デューラー  四人の使徒 1526年、アルテ・ピナコテーク ミュンヘン


これを肖像画にいれてる人(某)がいるけど、どっちかというと擬人像じゃないかなあ。理念を人間像の形に具体化したもんじゃないだろうか? そりゃモデルはいると思うけれどデューラーの意図はそれと違うでしょう?? それに普通四人並べるとき中世以来の伝統ならマルコ・マタイ・ルカ・ヨハネでしょう。これはヨハネ・ペテロ・マルコ・パウロで全然違う。



デューラー  祈る手の習作 アルベルティーナ  ウイーン



コリン  コテール  聖ミカエル ブリュッセルの王立美術館


 ロヒール命な倣古的な作品ですが、成功していると思います。ボーヌ祭壇画は保存が悪いからなあ。。


クウェンティン  マーチエス 玉座の聖母子 ブリュッセルの王立美術館


 これも1世紀前のフレマール派を慕った倣古的な作品ですが聖母の堂々たるガウンの体躯描写がすごいので。。また、幼児キリストの好奇心あふれるまなざしがなんか妙にモダンです


ピーテル・ブリューゲル(父)  聖母の死  グリザイユ  英国バンベリー・アプトンハウス:ナショナルトラスト


ブリューゲルの絵のなかで、これほど真摯な信仰告白があるだろうか



ルイス・デ・モラーレス(1515-1586) 聖母子  エルミタージュ、ペテルスブルク



いかにも、スペイン女性らしい顔のようにみえるのだが、単なる先入観かもしれない。


グリューネワルト  イーゼンハイム祭壇画、ウンターリンデン美術館、コルマール



観たいような観たくないような。。。


ティントレット  最後の晩餐  サンタ マジョーレ教会  ヴェネチア


エルグレコの先輩というか、不思議な作品だなあ、と思います。とくに、透明な天使たちの描写が惹かれます。

エルグレコ  受胎告知  プラド美術館

  ビルバオに、ほぼ同じ絵がありますが、プラドのほうがいいかな?  熾烈な霊的火花を感じます。まさに反宗教改革の力かな。 小型のレプリカがティッセン・ボルミネッサ美術館にあります。 どうもエル・グレコは、こういう小さなレプリカを自宅において記録にしていたらしい。描いた絵を皆素描で記録して、のちに出版したクロード・ロランを思い起こしました。



       腕が印象的でした。




ムリーリョ  無原罪のおやどり  エルミタージュ美術館、ペテ1ルスブルク


1996年 エルミタージュ美術館展 16-19世紀スペイン絵画:東武美術館で鑑賞

   ペテルブルクには2点  同題の大型のムリーリョ画があります。でも、この、18世紀に英国のウォルポール伯爵Robert Walpore(初代首相)が所蔵したことがあるこの作品The Walpole Immaculate Conceptionのほうが、良いと思っています。




  なんというか、絵画の中で永遠化された人間達、という感じがする傑作です。そういう意味では肖像画と宗教画の際どい交錯という感じもします。



    昔、 これのベルリンヴァージョンを白黒写真を観ていっぺんにファンになりました。ルーベンスとは全く逆の発想ですね。


            (イメージはこれです)


       日本にあるのが、もったいないくらいの良い作品ですね。


 なんか観た覚えがあるのですが、、たぶん何度か開催されたエルミタージュ展で、、


フィリップ・ド・シャンパーニュ、ヴァニタス(頭蓋骨のある静物)


   こういう気味の悪いものも、キリスト教の瞑想のためのツールなわけです。マグダラのマリアが頭蓋骨を前に瞑想している絵はしばしば観るところです。 金剛杵が真言密教の仏教美術なら、こういう絵もやはりキリスト教美術の一つだと思います。シャンパーニュの絵にはジャンセン主義の影響が強いので苦行の強調と関連しているのでしょうか?



カスパール・ダヴィッド・フリードリッヒ  山上の十字架、 ドレスデン,国立近現代絵画館


オディオン  ルドン  聖ジャンヌ=ダルク  ヴァチカン美術館


  ルドンの作品では、ヴァチカンに入っていることもあるけど、一番  宗教画らしい。




なんか、近代の聖書のイメージ、天使イメージなどは、このジョン・マーチンの絵にかなり影響されてるんじゃないか?と思っています。




  キリスト教というより、もっと危ない、オカルトに足を突っ込んだ画家の作品。

これをあの雅な古都・観光都市のブルージュの、それもファンアイクなどの名画が並ぶグロニンヘン美術館の展示の最後で観たのは衝撃でした。




     画家が、自分が贋作したことを証明するために獄中で証拠制作したという、 非常に皮肉な作品です。ある不気味さと個性を感じる奇妙な宗教画ですね。


・サルヴァドール=ダリ、十字架の聖ヨハネのキリスト(1951)、ケヴィン=グローブ美術館、 グラスゴー


いうまでもないことですが、「十字架のヨハネ」というスペイン人のカトリックの幻視者・聖人が感得したキリスト磔刑のイメージです。間違えている人もいたので。



posted by 山科玲児 at 10:05| Comment(0) | 2018年日記
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