2018年01月28日

銅板に描いた油絵

Jan Brueghel Air Louvre.jpg


に書いてあった
銅板に描いた油絵
の問題は、以前から気になっていましたので、少し調べてみました。
どうも、
ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜
http://www.tobikan.jp/exhibition/2017_bruegel.html

で銅板の絵画がでていたからのようです。

  当方が、実際に観たものは、ヤン・ブリューゲルの作品、その周辺の作品ばかりでした。
  ヤン・ファン・ケッセル(ヤンブリューゲルの孫)の銅板に描いた「カエル」の動物画のことを森洋子さんが藝術新潮に書いていました(Ref1)。これが、最初にこの「銅板に描いた油絵」を知った機会でした。
 まあ、20世紀後半では(あるいは今でも???)西洋絵画はキャンバスに描くものだと確信してました。美術展で売ってる額絵の豪華版で布に印刷したものがありました。もっともひどい誤解はポプラ板に描いたモナリザを布に印刷して高く売っていた、という笑い話すらあります。板絵という概念は今でも周知されてるのかなあ、、と思うぐらいですから、まして銅板に描くなんて、、新鮮でした。

 銅板を含めた金属板に油彩するというのは、なんか装飾品や家具や武器などに例がありそうな気もしますが、当方が気がついた古い例は、

 ロヒール ファンデアワイデンの七つの秘蹟の祭壇画(アントワープ王立美術館)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Seven_Sacraments_Rogier.jpg

で、一部の人物は錫箔の上に描いて貼り付けてある例です。



この件は、羊皮紙とかいうのもあって、未確認、確か「錫箔」と聞いたはずでしたが、、、




本格的な使用では、未見ですが、イタリアの例があるようで、

ブロンチーノ 肖像 錫板油彩
https://www.wga.hu/html/b/bronzino/1/ferdinan.html
ブロンチーノ 幸福のアレゴリー 銅板油彩
が古いようです。

2015年10月初めに
「風景画の誕生」展 渋谷BUNKAMURA にみにいったときに。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_wien/index.html
> そして、ヤン=ブリューゲル父子による銅板に油彩で描いた美しいパネルがあって、これはミラノのアンブロジアーナで同類を観て以来の良い経験でした。この銅板油彩というのは、なかなか良い方法だとおもうのに、なんでキャンバスや板が使われ続けたのかな?と思ったものです。

というメモを書きました。このとき観た銅板油彩の2点は結構大きい、、そうはいっても40x60cmぐらい、、だったので、銅板にしては大きいなあ、、、と思ったものですが、
実は、ルーブルの「空気のアレゴリー」(イメージ)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jan_Brueghel_(I)_-_Air_(Optics)_-_WGA3548.jpg
も銅板だったようです。

  海外の美術館を訪ねるとき、基底材なんかの細かいところまでみないからなあ。ミラノのアンブロジアーナを訪ねたときに、小型のものが多かったんですが、ヤン・ブリューゲルの銅板油彩作品がどっさり並んでいたんで、そのときは銅板ということを意識したんですが、そのうち忘れていたのかなあ(Ref2)
  ただね、17世紀後半以降、銅板絵画ってまるでなくなってしまいました。やはり銅板が高価だったということかな?現在でも、鉄の値段と銅の値段を比較すると、銅は10倍ぐらい高いものですから。

Ref1 森洋子、ブリューゲル一族再会、 芸術新潮 1980年12月号 通巻372号
Ref2 The Pinacoteca Ambrosiana. Electra, 2002 Reprint(1997 1st print)
posted by 山科玲児 at 11:53| Comment(0) | 2018年日記
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