フィレンチェで20世紀初期に活躍していた美術商というか美術蒐集代理人 ハーバート ホーン
が高名な学者ロジャー・フライに出した手紙がかなりまとめて、APOLLO誌 1985年8月号に収録されている。
面白い手紙が多いので、全部翻訳したいぐらいだが、なかでも気になったのが、1400年ごろベリー公に使えていた細密画家、ジャックマール ヘスデンの作品だと称される、なんか陰気な聖母子の素描(イメージ)のことを書いた手紙だった。
が高名な学者ロジャー・フライに出した手紙がかなりまとめて、APOLLO誌 1985年8月号に収録されている。
面白い手紙が多いので、全部翻訳したいぐらいだが、なかでも気になったのが、1400年ごろベリー公に使えていた細密画家、ジャックマール ヘスデンの作品だと称される、なんか陰気な聖母子の素描(イメージ)のことを書いた手紙だった。
この素描の現物は、現在は、ニューヨークのモルガン図書館にある。
Piemont Morgan
Attributed to Jaquemart de Hesdin
http://ica.themorgan.org/manuscript/page/1/158212
驚くことに、これは紙に描いたものではない。柘植の板に白下地を塗ってその上に銀筆(Silverpoint)で描いたものだという。7cmx12,9cmという小さな柘植の板が6枚あって、そのうちの9面にそのような素描があるようだ。
粗略なもの精密なものがあり、この聖母子は一番まとまっているほうのようだ。柘植の板というのはあまり大きな板はとれないから、この大きさでも大きいほうだとは思うが、それにしても板のスケッチブックって、西域沙漠で発見された木簡や板に描いた絵を思わせる。
main page
http://www.themorgan.org/manuscript/158212
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http://www.themorgan.org/manuscript/158212
ホーンの手紙(1906年11月24日.フィレンチェ)では、当時のドイツの商人学者は、皆、贋作・偽物だとみなしていたようである。
しかし、現在はどう鑑定されているかはわからない。
モルガン図書館のサイトの解説によると、 装飾写本・中世絵画の専門家の、Millard Meissが褒めてるらしいので、本物とみなされているのではないか?と思う。
少なくとも柘植材のC14年代ぐらいは簡単にわかるとおもうのですが。。