2018年02月16日

フィレンチェからの手紙

FrickCollection  rembrandt ss.jpgHORNE carrica.JPG
フリック  コレクションのレンブラントの有名な自画像
https://www.frick.org/interact/rembrandt-harmensz-van-rijn-self-portrait
について、当時の売買・所蔵の事情を伺わせる手紙を翻訳してみます。
 ホーンHerbert Percy Horne(1864-1916)が書いた、当時メトロポリタン美術館学芸員へアサインされたころの
ロジャー・フライRoger  Fry (1866 - 1934)
への手紙です。

  しかし、英国貴族所蔵のレンブラントのことを、イタリアのフィレンチェで、フィレンチェ在住の英国人美術商・ブローカーが、英国人でメトロポリタン美術館学芸員へ相談するという、おそろしくインターナショナルな取引話ですね。。
  ホーンのカリカチュア風肖像(イメージ)もだしておきます。

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1906年5月14日、フィレンチェ
フライ  様
  この件は我々だけの極秘にしておいてください。
  今日イルセスター卿夫妻と昼食をとりました。夫妻は、Holland House Melbury&C.
を継承されたようです。相続税のためにあのレンブラントを売りたいのはイルセスター伯爵です。
   このレンブラントの自画像は、ドイツの大きなレンブラントの本、並びにそのほかの本にも写真がでている作品です。私は実見しておりませんが、有名な権威者が質の高い作品だと私に語っておりました。
  ハーバート・クックはこの件は断ったそうですが、クックの父親は一つの絵に大金を使うことを許さなかったようです。

 卿はアグニューや他の画商にも相談しています。貴方はこの件で動くおつもりはありませんか?もしそうなら。私は卿に紹介し、貴方が絵を観ることができるように計らいます。卿がロンドンに帰ったあとでいいとおもいます。
 イルセスター卿は満足のいく価格でなければ、手放す気はないようです。アグニューの手に落ちるよりは、あなたなら直接、もしくはあなたの代理人で有利に交渉できると思います。
  お返事いただければ、来週末にイルセスター卿がフィレンチェを発つ前に、この件を手配します。
  敬具
   Herbert P. Horne
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Source:: APOLLO誌 1985年8月号


posted by 山科玲児 at 07:23| Comment(0) | 2018年日記
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