2018年03月02日

パクられる日本

昨年制作された、ダウンサイズという米国映画が3月から日本で公開されるそうだ。


 え、これ 円谷プロのウルトラQの「8分の1計画」のパクリなんじゃないの。。
設定読むだけだと、全く区別がつかない。
 ウルトラQもまた英米SFのパクリめいたものもあっただろうが、米国、たぶんハリウッド映画が日本のTVシリーズをパクるとは、米国も堕ちたものだ。

 ディズニーがライオンキングで手塚マンガ「ジャングル大帝」をパクって以来感じているのだが、、カリフォルニアの創造力・想像力はリベラルに喰い荒らされて、やせ細ってしまいパクることしかできなくなっているのだろうか。。

  パクることは一概に悪いとはいえない。様々な神話やおとぎ話、古典はなんどもパクられリメイクされて中世近代古典文学や演劇に豊かな成果をもたらしてきた。最近でも古典的映画のリメークで、いかに新味を出すかを競う例がある。そういえば、ゴーゴリ原作「妖婆・呪いの死棺」もリメークされたようだ。また、水木しげる先生のマンガには、結構パクリが多いのだがそれを換骨奪胎して、日本の古層に達した見事な妖怪マンガを創造された。

  しかしながら、この「ダウンサイズ」はそういうリメイクによる重層的なおもしろさはあるのだろうか??。

  私は、米国映画の一つの行き方としては、ジャック・フィニィ「ゲイルズバーグの春を愛す」あるいはピーター・S・ビーグルの「最後のユニコーン」やブラッドベリ「何かが道をやってくる」のような特異な思想・感情を描くやり方があると思う。そのような米国自身の文明としての成熟を描いたものとしては「ガープの世界」もあった。
  ところが、ジャック・フィニィの世界は、むしろトランプ現象的な思想だ。カリフォルニア風のリベラルなのはガープの世界だが、これは行き詰まってしまったのだろうか。

 そういう意味では、ハインライン「ジョナサン・ホーグ氏の不愉快な職業」の映画化が止まってしまっているのは、残念なことである。



posted by 山科玲児 at 18:29| Comment(0) | 2018年日記
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