故宮物語::政治の縮図、文化の象徴を語る90話
野嶋剛 著
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にも、言及されているように、
台湾の与党:民進党(民主進歩党)の議員のなかには、
故宮博物院なんていらない。北京につっかえせ。。と主張する人もいる。
故宮博物院なんていらない。北京につっかえせ。。と主張する人もいる。
というのも、もともと台湾にとっては外来政権・侵略者であった中華民国 蒋介石政権がもちこんだものであり、昔は國立故宮博物院自体が国民党の牙城であり、人事も独占されていた。 蒋介石の妻:宋 美齢の特別室が昔は故宮にあったという。これは陳水扁政権になったとき撤去されたそうだ。
2・28事件の虐殺とそのあとの白色テロの恐怖を経験はしていないかもしれないが知っている、民進党の政治家たちにとっては、悪印象があるのは無理もない。ただ、もし、そういうことを北京に提案したら、「軟土は深く掘る」北京政府だから、台湾には更に強硬な要求をしてくるだろうから、やるべきではない。
では、逆に大陸側ではどうかというと、一部には、皮肉な、あるいは深刻な意見があるようだ。
産経記者の憶測部分を削除して生の部分のみ出すと、、
「絶対に返還するな。戻ってきたら、訳が分からぬうちになくなってしまう」
「返還されたら、党が私物化してしまう」
「大陸は安全ではないので、台湾でしっかり保存してほしい」
「もともと一つの中国なのだから返還する、しないの問題はないはずだ」
「大陸になくてよかった。さもなければ、紅衛兵に壊されてしまっていた」
「大陸になくてよかった。さもなければ、紅衛兵に壊されてしまっていた」
「とりあえず台湾に置いておこう。大陸では第二次文革が始まりそうだから、あなたたちが保管してくれ」
産経の記事であることは割り引かないといけないけれど、ネット言論統制が厳しい大陸で、少数でもこのような意見がこぼれ落ちてくるということは、こういう風に考えているインテリが予想外に相当多いということだろう。ここでインテリといったのは、文物に関心のある人々しかこのような発言はしないだろうからだ。
台湾で「つっかえせ」という人がおり、大陸で「絶対に返還するな」という人がいる。なんとも皮肉なことである。
文化財の保護・公開・研究という観点からは台湾にあったほうが良いのは確かである。