2018年04月25日

大和魂の意味

瓜茄1号.JPG天龍山維摩居士 奥村伊九良s.jpg


  第2次世界大戦中に山西省で戦病死した、美術史家の 奥村伊久良氏(右は氏の署名)は、とてもオリジナリティーのある文章が多く、今読んでも、刺激がある。勿論、古い時代だから資料不足や認識不足のところがあるが、とにかくちゃんと自分で考える人なので、独自の思考が素晴らしい。下記のように、ソルボンヌで学んだ人のようである。
  たとえば、奥村伊久良氏の個人雑誌「瓜茄」1号(1935年 5月)(イメージ)に、 「やまとだましひ」という文章がある。
ここで、平安時代以来の、大和魂は「智恵」であって、堅苦しい唐才(からざえ)中国的知識じゃない。。
大和魂というのは、柔軟で要領の良い智恵であって、勇猛さなどとは正反対の、むしろ優美でやさしい方向の意味だった、、
という面白い考察を展開している。

****** 記 *****
奥村伊久良 (おくむら・いくろう)
1901年京都に生れる。1924年東京大学法学部政治学科卒業。1927年京都大学文学部美学美術史学科卒業後、大学院。1927-28年フランスへ留学。ソルボンヌ大学で美術研究。1929-37年の間、中国へ再三渡航し、主に北京および中国本土各地を視察旅行。1930年以降、著作活動に入る。1943年秋、応召。1944年10月22日戦病死(中国本土の野戦病院で。陸軍主計中尉)。著訳書 個人雑誌「瓜茄」(1935-39)『歴代画論――唐宋元篇』(青木正児氏と共に編訳、弘文堂、1942)『大和魂――歴史篇』(大八洲出版株式会社、1945)ほか。


posted by 山科玲児 at 07:45| Comment(0) | 2018年日記
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