2018年06月19日

愛書家・蒐集家としてのエラリー・クイーン

シャーロック・ホームズの災難.JPG


  ホームズ・パスティーシュへの関心から、
  シャーロック・ホームズの災難(上・下)を図書館から借りてきた。
  そう素晴らしい作品が満載されているわけではないようだが、注目すべきは、
  序文と各作品の解説に溢れている愛書家読書家ブックコレクターとしてのエラリー・クイーンの思いである。実際は2人のうちのフレデリック・ダネイFrederic Dannay (1905–1982)の文章である。ダネイがこういう趣味であって、もう一人のリー Manfred B. Lee (1905–1971)は、蔵書はあったようだがダネイほどの蒐集家精神はなかったようだ。
  この情のこもったコメントにこそ、此の本の価値があり、収録作品には、それほど価値があるだろうか?  と疑問に思ったものだ。全部読んでるわけではないが、そういう感じをもった。中国の文人の本では序跋だけ集めた本がけっこうある「山谷題跋」とか「雪堂校刊群書叙録」とか、ダネイの場合もそういう集成があってもよいかもしれないと思った。

 エラリー・クイーン文庫(ダネイの蔵書)は、テキサス州オースティンのテキサス大学のThe Harry Ransom Center にまとまって保存収蔵されているようである。USAで最初のミステリー・探偵小説の大規模なコレクションだという。



 この作品集に収録されているエラリー・クイーンの自作は、ラジオドラマの 「ジェームス・フィリモア氏の失踪」であり、これはなかなか面白い。あとで調べたら、初出は「ロング氏とショート氏」というラジオドラマであり、それを改稿改題したもののようである。エラリー・クイーンのラジオドラマというのは全創作のうち相当大きな部分をしめるらしいし、色々問題もあるようだ。代作があるとか、そもそも別人アンソニー・バウチャーがダネイの替わりに参加しているとか、第二次世界大戦中に政府プロパガンタに荷担したとか、、 

  エラリー・クイーンについてはWikipediaにもおかしなことが書いてあり、合作過程の実際はどうであったか?  というようなことにも関心はあるので、また書く予定だ。

posted by 山科玲児 at 09:01| Comment(0) | 2018年日記
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